亜弓は電気ショック、マヤははじけたヨーヨー

c0138553_14571299.jpg

「蛇口をひねれば水が出る」という事の凄さを37歳にして知ったこの正月。
昨晩無事に実家の青森から東京に戻りました。

青森以外の地域でどの程度報道されていたのかはわからないけれど、私の地元はまんまと断水エリアに位置していたため、元旦夜から4日正午過ぎまで水道水が供給されないという事態にあいなりました。
何もねえ、こんな一年で一番人口も増えるだろう時期を選ばずとも、というものだったが、災害(完全な人災だったが)とは、えてしてこういうもんなんでしょうな。

危機管理能力の乏しい我が実家(老人二人暮らし)、災害対策も一切しておらず、買い置き水(元々水質は良いので、水を買うという習慣もないのだが)があるわけでも無く、一時はどうなる事かと思ったけれど、幸い道路一本隔てた隣市は水脈が異なるため断水を免れていたり、個人で井戸を掘っているお宅等も多かったので、ご近所コミュニティを駆使し、飲み水は無事確保出来た。
温泉地である事も幸いして、お風呂問題も無く、他のエリアより断水のタイミングが遅かった事もあり、実家近隣の人々は案外平静に過ごしていた様な気がする。むしろお風呂に関しては、温泉セットを持って毎日朝から色んなお風呂に行ったりして、普段より優雅な人も居たかもしれない。

私が近所のスーパーにペットボトルの水を買いに行った時も、さぞや凄まじい光景(人々が水を奪い合っている様な←オイルショックの映像そのまま)が繰り広げられているのでは、或いはとっくの昔に水売り場はスッカラカンなんでは、と思っていたのだが、奪い合うどころか、水は段ボールの山を形成してドドーン!と売られていた。誰もまとめ買いしていない。スーパー自体もトイレが使えない以外は、普段とあまり変わらないのんびりとした雰囲気。
思わず「なーんだ。みんな給水車に貰いに行かなくても、買えばいいじゃん」と父に言ったら「そんな金、皆、勿体無いんだろ」と返され、おっと、わたしゃあ「パンが無いならお菓子を食べればいいじゃない?オーホホホ!」のマリー・アントワネットかよ!と心で陳謝。確かに田舎では「水を買う」という習慣は殆ど無いし、平均収入だって高い訳がない。水ごときにお金なんか出せないよなあ。

しかし、そういう事を抜きにして、田舎の人たちの動じなさというか、逞しさには感心した。皆、全然慌てていないのだ。そりゃあ不便で困っているけれど、「どーん」と「でーん」と構えている。これがもし東京で起こったら、近所付き合いもない状況で、私なんぞ大パニックだ。人見知りも災いして、もじもじしている間に干からびるな。断水くらいで「無洗米」やら「手ピカジェル」やら「ウェットティッシュ」やらを買いに走った私の何と柔な事よッ。

そしてテレビを見るにつけ目に飛び込んでくる、年末に突然仕事と住む場所を失った人たちや、確実に一番最悪な新年を迎えている戦地の人たちにしたら、断水ごとき何だよ、という話だ。過去の大災害で被災された人たちの過酷さが、この何百倍もの事だったのだという事も、ほんの少しだが、やっと想像出来た気がする。
実家同様、かなり手薄な我が家の危機管理体制を見直すキッカケになっただけでも良かった。

と言いつつ、やはり一番の困りものはトイレで、これは悩ましかった。ふと周りを見渡せば捨てるほどあるではないか、雪が。つー事で、雪を溶かして再利用していたのだが、溶けかけの雪が「ブルーレット置くだけ」と混じり合う様は、さながら「かき氷」のブルーハワイだったなあ。
復旧が始まった後、一斉に皆が水を使ったせいで(当たり前)、我が実家エリアの貯水槽がなかなか水が溜まらず、完全復旧は中心地より遅れること丸1日、4日正午にようやく蛇口から給水出来たが、チョロチョロと頼りなく流れてくる水を見た時は、思わずヘレン・ケラーばりに、もといヘレン・ケラーを演じる北島マヤばりに「うおあああああああああ!!」と叫びそうになった。

水は有り難い。これを忘れない様にしなければ。
c0138553_1458572.jpg


関係ないが帰省最終日、スーパーで以前住んでいた家のご近所だったNさんちのオバチャンに偶然再会したのだけれど、「あら〜千明ちゃん、久しぶり〜。え?もう今日東京に帰るの?あら〜何か欲しいもんない?あら〜あら〜」とか何とか言いながら、持っていた財布をゴソゴソし出して、お札を取り出そうとしたので驚いた。まさかとは思ったが、私、37歳にして、いまだにお小遣いをあげようとされてしまった・・・。

それと、持参していた藤森さんの『グラウンド・ツアー』1,2巻と、内澤旬子さんの『世界屠畜紀行』も道中の新幹線でようやく読み終えた。どちらもとにかく取材量が素晴らしい。好きだけで、ここまでやれちゃうお二人は凄い。『世界〜』を読んだら、いつか行きたいと思ったよ品川見学に。そして私はこれからも肉を頂くよ。心して。

て訳で、東京に戻る新幹線で、今日からやらねばならない事を順番に考えていたら、軽く動悸がした私ですが、とりあえず4月の展覧会までは失速しない様に行く所存です。って、もうこんな時間じゃん。

今年もよろしくお願いします。

オマケ写真。大晦日は幼なじみの由美ちゃんちにおよばれ。す、寿司いいい!
c0138553_1563610.jpg

雪原で一人ぼっちで遊ぶ子供。ひたすら足跡をつけていた。
c0138553_1564577.jpg

青森クリスト。
c0138553_1581653.jpg

今回一番哀愁があった小屋。
c0138553_1591555.jpg

実家の裏の森だった場所、売り出し中。
c0138553_15103732.jpg

元旦に生けられた花(生け花のセンセである母による)。しかしこれ以降写真なし。やはり余裕が無かったという事か・・・。
c0138553_15164418.jpg


2009年もよろしくお願いしま〜す。
[PR]
by sakamotochiaki | 2009-01-05 15:12 | ◎こんな日々 | Comments(0)