久しぶりに飯田橋

c0138553_15482619.jpg

相変わらず踊るクリストファー・ウォーケンに元気を貰っている。
前半の中腰ステップがもーたまらん。随分前にレイトショーで、やはりクリストファー・ウォーケンの踊りがカッコ良かった(とういうか、それくらいしか記憶が無い)映画を見たのだけれど、あれはいったい何という作品だったか・・・と調べてみたらデビッド・サーレが監督した『サーチ&デストロイ』という映画だった。全く内容を覚えていないにも関わらず、印象が良かった事だけはハッキリ覚えている。そんな事ばかりだなあ、私。

さて、今日は午前中から飯田橋へ。月曜日に実にひっそりと誌上コンペ/ザ・チョイスに応募していて、その搬出日でありました。チョイスは学生時代に応募した以来だったので、実に18年ぶり。当時住んでいた秦野くんだりから作品を持ち込み、何度か応募したものだったけれど見事に毎度落選。当時はとにかく一刻も早く「何者かにならねばならない」と必死で、体力だけが売りの様な状態で、しかし箸にも棒にも引っかからない見事な落選ぶりにその体力も底をついたのだった。まあ、今思えば当然の結果であるけれど。そのうちコンペ自体がとっても遠い存在になっていた。
あの頃と今では、私の状況は何もかも変わっていて、40も目前に体力はさらに落ちているし、迷いも悩みも増えた割には行き当たりばったりという厄介さで、正直また再び玄光社(しかも当時と同じ場所にあって驚き)を訪れる日が来るとは思っていなかったので、懐かしいやら新鮮やら色々と道中思い巡らせた。

で、今回。
そんな年月を経て、知らない間に判型も変わった『illustration』大竹伸朗さんの特集号を、以前家人が買ってきていたので読み漁っていたら、この3月に祖父江慎さんによる審査があると知った。祖父江さんの事を、大変失礼ながら私はずっと長いこと存じ上げなかったのだけれど、一年前に見た『情熱大陸』の祖父江さん特集が、もー素晴らしく面白くて、奇想天外なお仕事ぶりはもちろんのこと、そのキャラクターに一目惚れ。一気にファンになってしまったのだった。しばらくの間、「うにょにょん、うにょにょん」と頭の中に祖父江さんの声がリピート再生されていたほどであった(コレ、見ていない人には何の事やらでしょうが)。
祖父江さんに今の私の作品を見て貰いたい。幸い応募票もある(雑誌巻末に付いている)ではないか。と、日頃重すぎる腰を上げる事に。
そもそも版画という手法は応募規定上、アリなんだろうかとも思ったけれど、私としてはイラストレーションと何ら変わりない感覚で描いているし、版を刷る度に自由にレイアウトする「福笑い」手法(この言い方、先日工房でご一緒した方に「まるで福笑いみたいね」と言われて、それがあんまり気に入ったので以後そう呼んでいる)もコラージュみたいなものだし、そもそも私の版画って、客観的に見ていったいどう見えるんだろう、というのも知りたくてのゴリ押し応募。版画がアウトだったら仕方ないやな、という軽い気持ちと、誌面に載っていた祖父江さんの「依頼内容に応じてどんな絵でも描けちゃいますという方よりも、私が描くとこんな絵になっちゃうんですという作品に期待しています。ひとりごちした暗いだけの絵は禁物」という言葉が耳に痛すぎて重たくなる気持ちに挟まれながら。

結果、選外でありました。(入選、準入選者には、審査当日夜に直接連絡がくるのですね)
まーね、そりゃーなー、そんなに甘くはないですよ、と思いつつ、学生時代の様に日付が変わるまで電話が来るのではとドキドキしている様な若さは無かったが、無いなりにちょっと肩を落しながら、トボトボと作品を受け取りに向かった飯田橋。
作品と一緒に審査結果のコピーを頂き、テレテレとまた駅を目指しながら、何となくコピーに目を通したら、最終選考に残った人々リストに自分の名前を発見してたまげる。残ったという事にというよりは、祖父江さんには見て貰えたという証拠じゃないか、これは!という事に。
話がそれるけれど、大昔、大槻ケンヂのオールナイトニッポン最終回に、私が出したハガキが読まれた時、「ああ、うちの近所のボロ酒屋の誰も気が付かない様なポストでも、東京と、ニッポン放送と、繋がっていたんだ!郵便屋さん、ちゃんと仕事していたんだ!」と初めて実感できた時の事を思い出した。(それまでは、ちゃんと回収されずに、ずーっと何年もポストの中に放置されているのではと疑っていた。)

コンペもそうで、漠然と落選した時は、こんなに膨大な数の作品があるのに、本当に自分の作品を見てくれてるの?とか、ついつい思いがちなんである。かといって、実際落選現場を目の当たりにしたら立ち直れないくせに。勝手なんである。
だから今回、ついキョトンとしてしまった。祖父江さんに見て貰いたいという気持ちで応募して、見て貰えたんだーという事が、しかも何かしら少しでも、祖父江さんに興味を持って頂けたのかもしれない、という事が嬉しかった。とはいえ、残念ながら選外なので審査評は頂けないけれど、さらにいつもよりも最終選考人数が格段に多い気もするが、私の版画はどうなのか、この方向で行っていいのか、本人はやっていてすんごい楽しいのだけれど、これは単なるひとりごちか?という迷いが、少しだけ薄まりました。って入選してないくせに!ふははは!

ともかく、これからも版を作ろうという気持ちになりました。有り難うございました。
c0138553_14345278.jpg


オマケのまんまるうめも。
c0138553_14361039.jpg

[PR]
by sakamotochiaki | 2009-03-27 15:27 | ◎こんな日々 | Comments(2)
Commented by しみず at 2009-03-27 17:00 x
私も祖父江さんのファンですよ〜。『情熱大陸』の祖父江さん特集も見ましたよ。
あの作風は予算も含め彼だから許されるんでしょうね。うらやましくもあります!!
千明さんの作品、最終選考だったら間違えなく見てもらってますね。

装丁事務所はいつもいいイラストレーターとの出会いを求めてるはずだから、コズフィッシュに作品ファイル直接送って売り込んじゃうってどうでしょう。


Commented by sakamotochiaki at 2009-03-27 17:42
しみずさん
後々冷静に考えたら、今回もの凄い人数なんです。最終選考に残った人々。
だからか・・・とややトーンダウンしてますが、でも良いのです。
見て貰えたんだなーと実感できたので。

沢山装丁を手がけられているしみずさんならではのご提案に尻汗。
やはり作品ファイル問題が私の前に立ちはだかるのでした。
早くまともなものを作らねば!ははは。