ただいま。

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シャバの空気は旨い。という言葉があるけれど、あれはシャバの「風」は旨いだな。と思った昨日、一週間ぶりにシャバに帰って参りました。
迎えにきてくれた舎弟、もとい家人が「姐さん、おつかれした!」と言うので、つい調子に乗って、「ほら(口元に人差し指と中指を立てて)、アタシがこーしたら、火!」と言ってみたが、白けた空気ごとたいそう旨かった。

実はこの一週間、入院しておりました。
一週間、実に抜けの悪い滞りまくった生暖かい空気の中に、もっと言うと内臓の腐臭と消毒薬の匂いとが常にせめぎ合う中にどっぷり浸かっていた身には、自分を通り抜けていく風が、豪雨の後だったせいもあり、なおさら新鮮だったという訳です。
入院といっても大病という訳でも緊急という訳でもなく、長年共存共栄(?)してきた子宮筋腫(男性はよくわからないと思いますので、サラッと聞き流してね)を取る手術のためでありました。腹腔鏡手術というヤツで、お腹に2~3カ所、小さい穴を空けて、事の全てをいたすという(医師の話だと、結構アクロバティックな手法で「ほっほー」と感心してしまうのですが、説明が面倒なのでザックリ割愛)、バッサリ開腹する手術に比べると体の負担が少ないので回復も早く、一週間で退院出来るというものです。
何故今か、と問われると、特に強い理由も無かったのだけれど、着々と成長していく筋腫とはいずれはお別れしなければならず、これまでのペースで行けば、恐らくソレは閉経前であろうし(閉経すると、筋腫は小さくなるのですね)、ならば開腹を余儀なくされるサイズに成長を遂げる前にやったろうかいと、ちょうど今年私的2大イベントであった展覧会も4月で終わり、5月末に目標設定していた松本クラフトフェアへのおにぎり屋出店も審査落ちし、仕事もポッカリ空いたし、7月にはまた1つ年取るし、体のメンテナンスではないけれど、このタイミングで行ってみよう、そう思ったのでありました。
少し前から日程が決まっていたので、事前に告知した人もいましたが「入院、手術」という言葉の強さが、私が考える以上に凄いみたいで、異様にご心配頂いてしまう事があったので、前の日記には書くのを控えておりましたが、無事元気に戻って来たので、めでたく解禁。はースッキリ。
ご心配頂いた皆様、有り難うございました。

入院中もちょこちょことノートに日記を付けようとは思っていたものの、さしたるオモロトピックも無く、例えば山田美容室の山田さんが以前入院した時の様に、同室の人々の「しりとり」に強制的に参加させられたりとかいうアチャーな珍事もなく、同室の人々とは一週間お互いビミョーな距離を取りつつも、お得意のマンウォッチングに精を出し、しかしようやく名前と顔が一致したなというタイミングでお別れ。そもそも、私の居た6人部屋には、私が入院した日から新たに2人入室し、別の2人が退院していくという感じで、日々人が入れ替わるので、関係を築くのも難しいというか、はなから無理な訳で、それを皆ちゃんとわかっている様でした。その中においても、たった一週間で退院した私など、ただの「通行人」の様なもので、時折旅行者の様な気分でもありました。

中には唯一、そこに長く滞在しているらしき初老の女性が居て、物腰の柔らかい品の良い方ではありましたが、確実にそこの「主」で、お姑さんに持ったら少々厄介そうな人だったけれど、退院前、その方のベッドにご挨拶に行き、月並みながら「早く良くなられますように」と言ったら、「ホホ、まあ、私は、ねえ」と曖昧な返事をされ、詳しい病名は知らないままであったものの、今後もまだその生活を続けねばならないのは明白な様であり、悪い事を言ってしまったなと少し後悔しました。
数年前に父が脳内出血で緊急入院し、何とか二週間後退院する日に、やはり同じ様に、同室の方々に挨拶をして回った際、お隣さんだった脳梗塞で半身麻痺が残る男性に「いいなあ、退院していく人の顔は、今日の空のように爽やかだ」と言われたのを思い出しました。それが聞こえているのかいないのか、父は帰宅できる嬉しさに、お調子者全開で浮かれきっていて、横で見ていて「あーもー気が利かない」とハラハラしたもんでしたが、私も似たようなものでありました。

さて手術当日の朝、私の愛用する湯飲みを、手を滑らせてパッカリ割ってしまっていた家人は、それはそれは不安な思いを抱えたまま、そして当然、その話を私には出来ないまま、4時間という長い時間、一人で手術が終わるのを待っていた訳ですが、一週間、随分と助けてもらいました。家事の事もうめの事も。最後は私より顔つきが病人の様になっていました。入院はそれをサポートする家族も本当に大変であるので、とても有り難かったです。

そして期待していた家人とうめの関係でありますが、入院前半は何ら変化のないまま(初日は二人別々に就寝するほどだったらしい)であったので、こりゃダメかーと殆ど諦めていた訳ですが、いざ帰宅してみると、家人の足にスリスリしながら絡みつくうめ。例えそれが飯のためとはいえ、確実に家人を見る目が違っていました。というか、私に対しての距離をやや感じるほど。とりあえず帰宅後一度もシャーフー言っているのを見ていません。素晴らしい!!
ただ風邪をひいたのか、ダミ声がさらにハスキーになり、まるでグレムリンの悪い方のギズモみたいになっていた・・・。さらに予め一週間分+予備一日分のカリカリを一日分ずつ袋に詰めて、日付を書いて準備しておいたのに、家人のテキトー餌やりの賜物として、何故か3袋も残っていた(どひー)。心なしか、うめ、ちょっと痩せた?と思ったものの、まあ、そもそも医者から言われている量より多めにあげていたので、規定量かっきりくらいだったという事で、入院中の私同様に、間食のない健康的な食生活であったという事で、とりあえず即刻おやつをあげました。
そう、筋腫を取った直後は、さすがに痛みに悩まされたのですが、うめの避妊手術の事を思い出したら、開腹して子宮全摘で、即日退院で、後は抗生物質とひたすらに自己治癒だった訳で、そりゃーとんでもない痛みだっただろうに、飲まず食わずで一人で耐えていたのだよな、と思うと、このくらい何だろうかと思えました。はい。生き物は強く、人間はヤワです、つくづく。

してまた久しぶりに今朝、うめにより4時に起こされましたが、その起こし方はいきなり本気噛みから、最初甘噛み→なかなか起きないと徐々に本気噛み、に変化していました。(まるで大島弓子が飼っていたサバのよう。サバは噛み付くわけではなかったが)そして私が仕方なく起きると「あ、やっと起きた。これがこの家の決まりだからよろしく」と言わんばかりの素振りで私を餌の入った缶まで誘導する先輩面うめでした。
ああ、ただいま。
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冒頭に「一週間ぶりのシャバ」と書いてしまったけれど、そういえば、入院中一度だけ病院の屋上に上がった日がありました。日陰も何もなかったので、5分で退却したけれど、新宿のビル群がすぐそこに見えるのに、すんごい遠かったなあ。
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そして家人に着替えのTシャツを持って来てもらう度、私はバンドTシャツしか持ってないんかい!といちいちツッコんでしまうほど、毎度バンドTシャツでした(写真のはキセルのマジックアワーT。ま、いーんですけど。ちなみに手首のものはフェスのパスの様ですが、血液型識別バンド。記念に持ち帰る人は殆ど居ないらしい(当たり前)。

という訳で、しばし自宅療養と仕事という生活になると思います。ああ、アルコール解禁はいつかなあ。
それと、しばらくは温泉などにお誘い頂いても行かれませんのであしからず。(理由は想像にお任せ)

帰宅したら家人が快気祝いをくれました。ひゃっほー。
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※イラストは術後の私。

病院で出されたカレーの不甲斐なさに、帰宅後はいきなり辛いカレーを作って食べてしまいました。お一つクリックよろしく。
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by sakamotochiaki | 2009-05-26 06:10 | ◎こんな日々 | Comments(12)
Commented by kyoe_noriko at 2009-05-26 09:22
お帰りなさい。そして、退院おめでとう御座います。
(帰省かしらんと思っていました)

>腹腔鏡手術
うちの相方も気胸なるものでやっております。(あれ?胸腔鏡手術になるのかしら??)
相方の場合顔なじみのドクターだったのと、男だったのとで、割とがっつりばっさりやられておりました。
身体への負担は段違いだそうですね。とはいえ、ご自愛下さいませませ。

そして更にパワーアップされますことを!

Commented by sakamotochiaki at 2009-05-26 10:53
キョウエさん
ただいまでーす。
入院中はキョウエさんの美味しそうな料理を眺めては、
さめざめする病院食にため息をついていました・・・
一度だけでた流動食は主食、主菜、副菜、デザート、お茶、
全てマグカップに入ってトレーに乗っかってやってきました。
あんなシュールな食事を初めて見ましたね。
スプーンくらい使わせてくれよ!と。

相方さん、がっつりばっさり・・・ですか。
でも本当に段違いだと思います。
中学生の時やった盲腸の手術は、退院後もダラダラと痛みがあったもんでしたが、今回は自分でも驚く回復力。
新生坂本千明として(は?)、下半期がんばろうと思います。
しかし予定は一切ゼロ。まずは予定作りから・・・ははは。
Commented by natsu_miyazawa at 2009-05-26 11:05
わああ、ちょっと驚いたけどご退院おめでとうございます!
無理せずにゆっくり療養してくださいね。
入院はショートトリップですよねー 違う世界がそこに....
私も昨年した経験が今も役に立って(入れ歯とともに)います!

「おっかえりいい」と、
うめちゃんもご主人も喜んでいるに違いない!
Commented by sakamotochiaki at 2009-05-26 12:18
ナツさん
ありがとうございます!
そうですよねえ。ついこの間までバタバタだった人間が手術、入院って!ですよね。
私本人は前々からの事で、いずれは・・・と思いつつ、なかなか気持ちも決まらず、タイミングも取れずにいたんですが、
この年齢になると周りにも経験者が多くて、色々話を聞いて、
一丁やってみるか!と思いましたんです。

ナツさんに初めてお会いした時も、確か退院されて初の町田だったんじゃなかったでしたっけ。
その時の事とか、病院のベッドの上で思い出してました。
退院したらすぐ予約日だなあと。
って明日だ!来月から少しずつまた町田に通おうと思ってまーす。

うめは前にも増してうるさくなった様な気がします。
家人の育て方のせいか・・・?
Commented by kyoe_noriko at 2009-05-26 15:47
クワイエットルームにようこそ・・の流動食をふと思い出しにやけてしまいました。
Commented by sakamotochiaki at 2009-05-26 16:47
キョウエさん
はいまさに。流動食をクリアしなければいけない事は入院前からわかていたので、もー映像がありありと頭の中にあった訳ですが、
マグカップってのは出鼻くじかれましたね。
そしてやはり、ヒジョーに残念ながら「意外とうまい!」と思ってしまった訳でした・・・(空腹すぎるともー何でもねー)
Commented by しみず at 2009-05-26 17:55 x
千明さん、入院していたなんて、驚きました!
でも、すっきりなさってよかったですね。
退院おめでとうございます!

2人で暮らし始めてすぐに、相方が胆石で3週間ぐらい入院したことがありました。同じような手術方法でしたよ。
誓約書とか書かされて、ちょっとびびった!

うめちゃんのスヌーズな起こし方、うちのネコたちと同じ!
ぽっちは最初ツメでかるくひっかき、しまいには噛みます・・・。

Commented by sakamotochiaki at 2009-05-26 18:21
しみずさん
おお〜ありがとうございます〜。
ハイ、スッキリしました。
しかし十分すぎる睡眠で入院中絶好調だったお肌が、
退院した日から吹き出物続出。時差デトックスでしょーかねえ。

胆石は痛そうですね〜。尿道結石とかも。ああ考えただけで痛い。
でも大きく切らなかったのなら、回復も早かったのではないですか?

そういえば、うめの起こし方がもう一つ増えていて、
髪の毛を爪でシャッシャッとブラッシングしてきます。
中ではソフトな方法なので、出来たらこれに統一して欲しいなあ。
無理だろうけど。
Commented at 2009-05-27 11:22
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sakamotochiaki at 2009-05-27 17:44
情報有り難うございます。
行きたいところですが、オールスタンディングそうなので、
ちとまだ自粛します・・・・とほほ。
新刊が出るとは知らなかったので、それは買いたいです。
Commented by boccafe at 2009-05-31 16:38
うわ!大変だったんですね。
私も腹腔鏡手術体験者です。
術後2日目くらいから歩かされますよね。

経過はどうですか。
お大事に〜
Commented by sakamotochiaki at 2009-05-31 19:06
bocccafeさん
あら〜そうだったんだ〜。
じゃあ、入所前に色々聞けば良かったな。
というか、皆言わないだけで、周りにも多いんだよね、
経験者やいずれ予定している人は。

あ、私は翌日には歩かされましたよ。
んで、その翌日にはシャワーも許可されました。

お陰様で、今はかなり復調してます。
クシャミが出そうになってもビクつかないくらいになりました(笑)
今週退院後診察があるので、そしたらお酒と入浴(シャワーじゃまだ寒い)
解禁にならないかなあと期待しています!