2009年 06月 20日
ごく当たり前の吸引力を手に入れる |
そういえば、前々から書こう書こうと思いながらすっかり忘れていたので、思い出したついでに今書くけれど、辻ちゃんのアイメイクは、あれはおかしいよって、誰か言ってあげなければいけないのではないだろうか。
栄光のバブル時代をそのまま引きずりながら、外界との誤差を埋められずに生きているオバハンの様な「止まりぶり」だと思うのだがあれ。しかもまだ若いのに、過去にしがみつく年齢でも、置いてけぼりを食らう年齢でもないだろうに。そう思うと、芸能界における産休って、一般人の産休よりリスクが高いのなあと思わざるを得ない。まるで底泥の様だった加護ちゃんの現在の「進みぶり」と比較するとなおさら。
さて。
断続的に楳に起こされ、何度寝かを繰り返し、やっとの事で起きたら昨日は11時近かった。前の日記に書いた版作りと掃除の予定は、出鼻くじかれた感満載であったので、家人と素麺ブランチを食らった後、原宿へ出かける事にした。
ソーン・ツリーギャラリーへ福田紀子さんの個展を見るために。
初めて行くギャラリーであったけれど、お寺の角を曲がった所にあるというのが、何だかいいなあと思った。
福田さんの作品は、過去にも何度か見ているけれど、じっくりと腰を据えて、思う存分拝見するのは今回が初めてという感じ。個展なのだから当たり前だけれど、その場が100%福田さんの作品で作られているというのは、実に気持ちが良いものだった。
福田さんの目が見ているものを、福田さんの作品として拝見させて頂くのは、何せ楽しいのだ。ああ、コレ知ってる、私も日々見ている、という何気ない風景が、例えばそれが「くた」とした洗濯物だとしても、どうしようもなく凛としてそこにある。それだけで、思わず笑みがこぼれたり、鼻の奥がツーンとなったりするのだから、絵っていいよなあ。カッコイイよなあと思わされる。また福田さんの筆圧が、ストロークがカッコイイんです。あのグリグリグリとした感じ、やってみたい。グリグリグリのワークショップを開催して欲しい。(て、近頃何でもワークショップにしちゃうのもどうかという感じだけれども)
初めて見る大きな絵も何とも良かった。近くで見ても遠くで見ても良かった。色んなグレーがあり、そのどれもが美しくて、白と混じり合った部分とか、たまらんという感じで、そんな風に色を使えるというのもまたニクイのであった。で、自分土産にグレー重視でポストカードを購入した。
ちょうど福田さんともお会い出来て、ダラダラととりとめもなく馬鹿な話ばかりしていた様な気がするけれど、それも何やら楽しくて、ついつい長居してしまった。とても良い展覧会でした。
こちら6/30(火)まで開催(水定休)です。ぜしぜし。
その後、私のもう一つのミッションを遂行すべく新宿ビッグカメラへ。
はい、掃除機を買いましてございます。
前の日記でダイソンの名を出したものの、やはりそんな費用は捻出出来る訳もなく、色々な方々のアドバイスやレビューなどを見た結果、あっさりと日本製の紙パック使用タイプが良かろうという結論に至ったのだった。で結局、ごくフッツーの、何の変哲もない、ありふれた、東芝の19800円の紙パック使用クリーナーを購入。
あれ?私、松下とか言ってたよねえ、福田さん。ここでも言ってる事とやってる事が違った・・・。たぶん福田さんと話していたのは、私の何番目かの人格14歳のリンダ(悲しい記憶担当)です。嘘です。
紙パック使用クリーナーというのも、上を見ても下を見ても果てしなく沢山あり、そのうちに何が良いやらワケがわからなくなったのだった。元々メカものは苦手分野であるので、店員さんに説明を受けても「で、えーと、これは音が静かで、こっちは何でした?」「で、結局何が売りなんでしょ?」というアホの子状態で同じ質問を繰り返し、もうこれは今日は決められないかもと心がくじけそうになりつつ、ああ、いつかマイケル買い出来たら~とか妄想世界に逃げつつ(この妄想の怖いところは「いつか」とか言いながら、そのうち実現化するんではないかとやんわり思っているところである)、最終的には初心にかえり、予算内でまずまずの吸引力、パワーヘッド部分のコンパクトさ、即刻私が持ち帰れる重さ、で決めてしまった。見た目は無視。ぬあははは。だって、この予算でデザインがカッコイイものなんてまー買えませんて奥さん。
何にしても、どれを買ったところで我が家の吐息サイクロン野郎より悪い事は無い。試運転してみれば「おお手元スイッチ!」「おお、操作が軽い!」「おお、カーペットごと吸い込みそうな吸引力!」といちいち感嘆の声を上げてしまうという浦島太郎ぶりで、私のあまりの感動ハードルの低さに、店員的には実に戦い甲斐のない、己のスペックを上げるために一切肥やしになり得ない客と思った事であろう。
そんな私的よりどりみどりの状況下、身分不相応なオプションなどはなから不要で、私の希望はゴミとノミを普通に吸って欲しいという事だけであったが、それでも「フラボノイドフィルター」やら「浮遊ホコリを吸い取る機能」やら、よくわからない機能も付いてきて、ああもうその位で十分です、私をもう甘やかさないで下さい、という感じであった。
そして東芝と言えば、その昔、私がひと冬アルバイトとして工場のラインで働いた事がある思い出のメーカーである。あん時ゃ辛かった。人生的にも真冬であった。今思い出しても泣けてくる。そんな辛い過去をこの際精算する意味も勝手に込めての東芝製ニコニコ現金払い。ま、後付の理由だけれど。そんな情緒だか感傷で家電を買うなと家電芸人らからお叱りを受けそうであるけれど、私の買い物など、ほぼ情緒と感傷が左右している様なものである。ホントか。
という訳で、帰宅後早速掃除。
おー!畳が剥がれんばかりの吸引力!今まで何だったんだろうというくらい細かな塵が取れる取れる!これは瞳孔が開きそうな気持ち良さ!
そう言えば以前母が、その昔、初めて我が家に掃除機がやって来た時、
「畳の目という目が、みるみるキレイになって感動したものだった!」
と言っていたけれど、まさにそんな感じ。って、今はいったい昭和何年なんだ。
とにかく吸引力のある掃除機の偉大さを見せつけられた。いや、変わらずホウキも好きなのだけれど、今後は使い分けよう。そしてノミ問題を見事解決してくれよう。それにしても猫がやって来た先に、掃除機買い換えが待っていたとは思わなかった。
最近やたら日記が長い。
けど続けてしまうが、課題図書の様な読みにくい翻訳本を急ピッチで読み終えたので、ようやく読みかけのまま放置されていた高山なおみさんの「諸国空想料理店」を読み返し、昨晩読み終えた。面白かった。写真など1枚もないのに、高山さんの独特の文章は料理の匂いが漂ってくるので本当にお腹が減る。レシピの中の材料や調味料の字面を見てヨダレが出るというのは、昨今のビジュアル重視の料理本が多い中、えらく新鮮であった。そして高山さんご自身がやはりなんとも面白いのが一番の魅力。
あとがきと解説を読んで、改めて「KuuKuu」というお店が無くなってしまった事を残念に思ったけれど、今でも吉祥寺でご飯を食べようという時、「うーん、何故無いのか」と思う事もあるけれど、ここぞという時、食べたいものが漠然とまとまらない時でも、ともかくKuuKuuへ行き、仲の良い友人らや、家族やらと、そこで時間を過ごし、お腹を満たした事があるという事だけでも、凄く幸せだなあと思えた。あの店で友人Nさんと飲んだ青島ビールは旨かったなとか、春菊と白菜を生もで食べる様になったのは、あの店のサラダを食べたからだったなとか、吉祥寺の某カフェのバイト帰り、二人腹ぺこで行った先輩Sさんは元気だろうかとか、最初に連れてきてくれたのは友人Kで、入って右奥のテーブルだったなとか、ポロポロと思い出す。そして私はその当時、高山さんをまだ知らなかった。ただkuukuuが好きで行っていた。そういうのも何だかいいものだなあと。
とりあえず、本の中にあった「トマト丸ごとピクルス」は近々作ってみよう。
そして今日こそは版を完成させなくては。明日は一日工房を予約しているので何としても。
という訳で残念ながら葉山のhacoで開催中のミロコマチコさんの展覧会は断念残念無念。
オマケは今日も私を起こしておきながら自分はまんまと寝る楳。
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by sakamotochiaki
| 2009-06-20 08:03
| ◎こんな日々
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