3匹の豚

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ずっと推移を見守ってきた内澤旬子さんの昨日のブログに泣きそうになった。

何でかわからないけれど、オイオイ、ここで泣いてはマズいだろ、と思い、何とか堪えたけれど。
今日は内澤さんが数ヶ月に渡り、手塩にかけて育ててこられた豚3匹が、食肉となって皆に振る舞われる会がある日。行きたい行きたいと思いつつ、帰京翌日のせいで滞った仕事や、展覧会準備も重なるだろうし、ああどうしようか…と考えているうちに、早々に予約が一杯になってしまったのだった。まあ、結局やっぱり時間的に無理だったのが救い。
何がというのはわからないのだけれど、これは行かなければならないと思っていた。見届けなければというか、食べ届けなければ、というか。それで私も何かしら今までとは違った、中途半端なこの気持ちを明確に出来るのではと感じていたのだった。

内澤さんが豚を飼い出したというのを知った時は、そこまでせにゃあならんのか、と正直思った。でもすぐ、そこまでせにゃあならんのだろうと思った。
名前を付けた時(夢、伸、秀)などは、ああ、何て事を…と思ったが、世界屠畜紀行で内澤さんが見てこられた色んな国の人々は、ペットの様に散々可愛がっていた山羊を翌日屠るという事がごく当たり前であったし、内澤さんにとってもそれが当たり前の流れだっただけの事なんだろう。

こんな風に生き物の命を「食べる会」という風な催しにする事を、野蛮であるとか、気が知れないとか思う人も多いと思う。肉を食べない人などは特にそう思われるかも知れない。私は菜食主義者ではないし、肉も魚も食べるけれど、両者に対して何か、物を申しておきたい様な強い気持ちがある訳でもない。同時に批判的な思いも特にない。食べたい時に肉も魚も野菜も食べている。
ただ、殺される前の動物達の恐怖に怯える気持ちが、肉になっても残り続けて、だから肉食をしているとイライラしたり争ったり、精神的に良くないのだ、という様な話には、全くこれっぽっちも同調出来ないのであるが、日本人が肉を食べ出してから、まだたかだか100年程度しか経っていないのだから、日本人の体はまだ肉食向きではないのだ、というのは何となくわかる。そうかもしれないな、と思う。
私はだから、主義主張がハッキリしている人から言わせると、かなりずるくて曖昧な場所にいると言える。スミマセン。いや、何となく謝ってみた。でも本当はそんなにスマナイとは思っていない。肉食に対して、何か目くじらを立てて、説教をしてくれようという様なタイプの人はかなり苦手である。ああいうのは怖い。もっとサラッとしてくれれば良いのにと思う。ああ、どっかから怒られそうだなあ。
しかし曖昧故、冒頭に書いたように、泣きそうになったりしたのだろう。

内澤さんのブログで、日々の成長を見続けてきてしまったせいで、3匹の豚たちへの愛着が勝手に私の中にも沸いてしまったのだった。
例えば、もし訪れた異国の地で、翌朝振る舞われた食事の材料が、連れて行った楳だったら、私は当然気を失うだろう。「カチカチ山」で狸がおじいさんを騙くらかして、
「ハーッハッハ!今、お前が食べているのは狸汁じゃない。ババァ汁だー!!」
とか言われて、知らずに愛妻を食べさせられた時のおじいさん位のショックかもしれない。しかし、だからといってその地の人々を間違ってると批判する権利は私には無い。文化の違いなのだから。相手は私が食材を手土産にやって来てくれたのだと思っての所行だったりするのだから。もう二度とその地は踏めなくなるかも知れないけれど、でも、やっぱりそれを否定は出来ない。

内澤さんは、彼らが居なくなってとてもさみしいと書かれている。ちょうど着手しなければならなかった連載原稿も、立ち会った「交配」についての内容だったそうで、時間がかかってしまったとも。
あの内澤さんをしてもそうなのか、と思った。いやそうだよな。そうなんだよ。
この長い長い(交配から精肉まで)、一連の作業をするとしないとでは、説得力の重みが違う。内澤さんは、もうそれを「経験した人」なのだ。
食肉公社での誇らしげな内澤さんの様子に、私は一番泣きそうになったのかも。この人はやっぱり凄い。私には絶対に出来ない事であるから、なおさら凄い。誰が文句を言えましょうか。

今日、3匹の豚を食べる方々も、色々考えあって、いや別に何も考えなくとも良いのだけれど、参加される事でしょう。美味しく食される事を願います。


て、この後に載せるか?って感じですが、実家での楳写真です。

実家到着後は、家具の下に潜り込んでしばらく出てきませんでした。ここはピアノの下。
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む。このふくらみは…
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あ。失礼失礼。
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2日目には大分慣れて、日向で毛繕い。
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そこまで緩むか。
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一応乙女なので、花も似合います。
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舌長ええ。
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でもやっぱりブサ顔は否めない…
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by sakamotochiaki | 2009-09-29 15:48 | ◎こんな日々 | Comments(0)