展覧会と大久保

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相変わらず、仕事三昧。確定申告作業も全く進んでいない。
が、思い立って、午前中から展覧会2つを観に行く。まずは学生時代の恩師である神山明さんの個展・KAMIYAMA Akira New Works 2010
これまでの様な木とオイルステインを使った作品は一切無く、今回は全て紙による立体作品で構成されていた。ここ何回かの展覧会で、紙の作品はいくつかお目見えしていたものの、「全て真っ白い紙で」というのは、とても、新鮮だった。等身大の「人」を思わせる形が、白い壁と床に囲まれ、反射する光の中に「立つ」あるいは「座る」様子に、幻惑されそうになる。何もない空間にまで白い靄がかかっている様に感じられ、距離感とか輪郭とかが不確かで、少し不安な気持ちになるというか。けれど作品はそこに強く存在しているものだから、いよいよ不思議な気持ちになる。あの紙で出来た作品が、いったいどの位の重量なのかはわからないけれど、人の重量感、存在感に似ているせいかもしれない。もし、部屋の中に私とあの作品達だけにされたら、ちょっと落ち着かなくなってしまいそうな程に、そこに息づいている様だった。
私は学生時代、課題以外は殆ど好き勝手なイラストしか描いていなくて、大学3年生の時、どちらかといえば畑違いと言えなくもない先生のゼミを迷わず選択した。まあそれは、それ以外は考えられなかったというか、それくらい、先生以外は信用していなかったという事なのだけれど、あれからもう何年も経っていても、作品という形で、一貫した姿勢を見せて頂いている。一貫した言葉も。田舎から出てきた何もわからない10代の頃、そういう方に出会えたという事は、とても幸せな事だと、今日改めて思った。
展覧会はギャラリーユマニテで20日まで(日)休。

その後、新宿に移動し、新宿眼科画廊にて本日から始まった豆本作家としてもご活躍のイラストレーターおおくぼゆみこさんの個展へ。実はおおくぼさんは私の高校時代のクラス担任だった大久保先生の娘さんだったりする。去年、OZONEクラフトマーケットに出店した際、お二人でご来店下さって、実に20年ぶりの再会も果たせたのだった。
豆本以外で、おおくぼさんの作品をまとめて見るのは初めてだったけれど、かわいい中にも笑いあり、楽しませて頂いた。水彩画、長らく触っていないけれど、私もやってみたくなったな。私の勘違いで早く到着しすぎてしまい、残念ながらお会い出来ずでしたが、まあ、またの機会に。こちらは10日まで。


せっかくなので帰りはブラブラと大久保を歩いて、職安通りの韓国広場に寄って、生マッコリと韓国唐辛子粉を買った。チャンジャも蛸キムチも欲しかったけれど、食べ切れなそうで断念。それにしても、先日大久保を一瞬通り過ぎた時にも感じた事だけれど、昼間の大久保は、いまだに韓流追っかけオバハンに占拠されているのだなあ。韓国広場もそんな日本人で混雑していて、土産物屋状態で生マッコリの試飲なんかをやっていて(まあ、そのマッコリを私も買ったのだけれど)、ちょっと違和感。「え!こんな所にまで?」という様な、裏道の韓国食材店すらもオバ浸食は進んでおり、何となく歩きづらくなった。まあ、私もそのオバの一部を担っておる訳だが。夜は久しく行っていないけれど、夜はどうなのかなあ。
あ、ちなみに今日のイラストは、韓国広場の冷蔵庫です。キムチだらけで真っ赤なの。いい眺めなんだ。


話は違うけれど。
都築響一の『だれも買わない本はだれかが買わなきゃならないんだ』(晶文社)をようやく読み始めた。ら、車内で読んでいる事も忘れて、またしても序文でいきなり泣きそうになる。『夜露死苦現代詩』同様に都築さんの言葉には泣かされっぱなしだ。

一部抜粋。

  歳をとることは、自分に似合う洋服を知るということだ。
  自分に似合う服と、似合わない服のあいだには、
  「似合うけど着たくない服」と「似合わないけど着たい服」がある。
  親や教師や上司に注意されたり、
  好きな相手にバカにされたりしていくうちに、
  人は自分に一番似合う服を見つけていく。
  ただし、それが一番着たい服とはかぎらない。
  いちばん当たり障りがなくて、つまりいちばんラクな服。
  ほんとはなにをいちばん着たかったのか、
  もう思い出せなくなったころ、 
  "自然な着こなし”というやつが身についてくるのだろう。
  「まわりが君に着て欲しい服」のかたちに固まっちゃったってことだ、
  それは。

いかん。抜粋と言いつつ、全部書いてしまいそうになってしまった。削っていい所など無いのだもの。洋服の事を書かれてはいるが、この本はタイトルの通り「本」にまつわる本である。なのに、この序文の、何とボディに効くことよ!常々自分がぼんやりながらも考えている事を、都築さんは痒いところに手が届くといった塩梅で、ものの見事にスパン!と言い表してくれる。耳に痛いんだ、これが。
「いくつになっても、似合わないと言われようとも自分が大好きな服を着続ける"いい歳してまわりが見えていない人たち”みたいに、本とつきあえたら」と都築さんは書いている。本が売れないこのご時世に、それでも「本」の本。第一章から全国にある個性溢るる本屋の紹介。何かもう、凄くイイのだ。これから読み進めるのが楽しみである。


おまけ楳いろいろ。
寝起きガンつけ。
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ひょうたんみたいな後ろ姿。
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日光浴。もはや婆の風格。
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by sakamotochiaki | 2010-02-06 00:02 | ◎こんな日々 | Comments(2)
Commented by boccafe at 2010-02-06 09:56
昨日はありがとうございました。私は予告より15分遅刻しました。まさかこんなに早くいらっしゃるなんて!油断してはいけないと肝にめいじました。あ〜、会いたかったです!
Commented by sakamotochiaki at 2010-02-06 10:06
boccafeさん
いやいや、私も何だか勘違いしていて、ちょっと早過ぎちゃったんです。
もう少し時間潰して行けば良かったんですが、ホントにアホでした。
画廊で待つという事も出来ずで・・・。
作品の事、お話聴きたかったですわ〜。

しかし、あの場所イイですね。
あのくらいの空間、凄くイイなあと思いました。
不思議な画廊ですね。