シングルマン

「シングルマン」を観てきた。
ファッションデザイナーであるトム・フォードの初監督作品。と言っても、ファッションつーものに疎い私は、「あ、なんか聞いた事あんなあ」くらいなもんであった。ひどいもんである。
予告編を見るにつけ、公式サイトを見るにつけ「絶対に好きだなこれは」という匂いがしていたのだが、もう初っぱなから映像、色、構図の美しさに涙が出た。淡々としたたった一日の物語だが、退屈に感じる事は一度もなく、久しぶりに登場人物全てがとても愛しく感じる作品だった。

帰宅してからシネマハスラーを聴き、師匠ほど注意深く意識して観ていた訳ではないにせよ、あの主演コリン・ファースの消え入りそうですらある無彩色なたたずまいに「ああ、この人は危ない」と感じ、一方で切ないほどビビッドに現れる若者や子供、花、はたまた小さな鉛筆削りに、胸が「あああ」と苦しくなったのを思い出した。
細部に渡るこだわりは、衣裳、ヘアメイク、建築物、小道具全てにこれでもかと行き渡っていて、惚れ惚れするばかりであったが、けれどそれはただのファッション映画という訳ではなく、ましてやゲイを主題にしただけの作品でもなかった。人が生まれて死ぬまでに、少なからずぶちあたるであろう問題、決して埋めようのない「空虚」がしっかり描かれていた。だから観ていて私もあんなに苦しくなったのだ。
主演のコリン・ファースのやけに姿勢の良いスーツ姿や、ベッドの上での右往左往ぶり、泣いてるんだか笑ってるんだか定まらない表情、はたまたジュリアン・ムーアの悲しいくらいソバカスびっちりの二の腕、枯れきった肌にも泣けました。(もちろん良い意味で!)でもコリン・ファースが犬の匂いを嗅ぐ場面に実は一番泣けたりして。これは獣と生活している人ならグッと来てしまうと思うのだけれど。

私が行ったバルト9での上映はそろそろ終わりそうですが、今後も上映する映画館もあります。ぜし。
あえてナレーション要らずのOfficial Trailerを張りつけ。けれどブログのスキン変更したら、動画のサイズが合っていないらしくて見切れてる...。なのでダブルクリックでyoutubeに飛んで下さいませ。


帰りに世界堂で二人展の展示備品を買って、色々考えながら、凄く描きたくなった。

オマケの寅印菓子屋さんの喫茶105号室で配っている猫マップにも登場する通称「でぶちん」。昨日は落ち葉のベッドで悠々と昼寝してた。
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これは今朝の楳。伸びたまま寝てた。2匹は実は似ている。
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by sakamotochiaki | 2010-11-09 23:34 | ◎こんな日々 | Comments(0)