2011年 01月 27日
1/27という日。高くて青い空を見上げる。 |
先週金曜日、私は渋谷の公園通りを歩いていて、不意に思い出した。
大学生の時、初めて同級生数人でグループ展をやった時の事を。
公園通りの古い雑居ビル上階にあった画廊を、どうやって見つけて、どうしてそこにしようと思ったんだかは忘れた。
何かやろうよと言われて、じゃあやるかと言って、お互い現状に鬱々としていた者同士2人で、訳もわからぬまま「ギャラリー」探しというものを始めたんだった。
そもそも当時の私には「作品展をする」という発想など無かった。それは恐らく同級生も皆同じだったと思う。
大学という場所では、作品以外で自分を誇示する事を苦手とし、単独活動を好んでいた私にとって、自ら何かを企画し、ましてや他人を巻き込んで事を起こすというは、我ながら信じられない行為だったし、個性もバラバラなメンツをまとめるというのも少なからず面倒だった。
けれど大学に入ってから初めての「自発的(正確には誘われたんだけど)」な行動というのは(つまりガッコーの課題以外で自主的に作品を作って、ガッコー以外の場所で、それ相当のお金を支払って発表するという行為)は、当たり前かもしれないがことのほか新鮮で面白く、同時に下手は出来ないという怖さもあったけれど、とにかく猛烈にわくわくする経験だった。このグループ展で初めて知った事は本当に多い。
その画廊はいつのまにか無くなっていて、今は何かよくわからない洋服屋が混在するビルになっている。歩きながら「ああ、無くなっているなあ」とぼんやり思った。
あの時の「何かやろうよ」という言葉が、私の中を冷たい風みたいに駆け抜けて、私の寝ぼけた頭を覚ましてくれ、色んな事がスタートしたんだとも。
言葉の主も、その人生を駆け抜けていった。そういう気がしてる。
最後まで気の利いた話ひとつ出来なかかった私を笑ってるだろうか。
でもあの時、私を誘ってくれて本当に有り難う。
また何かやろうよ。
by sakamotochiaki
| 2011-01-27 13:04
| ◎こんな日々
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