鵜の木の路上にて『グリム』

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暗過ぎて写真が上手く撮れなかったのでイラストで...と思ったが、やっぱり暗過ぎてわからない。でもその場の雰囲気を忠実に描こうとしたらこうなってしまったのでごめんして。

以前から、夫婦で大ファンである中里和人さんの写真画集『グリム』出版記念展覧会『鵜の木のグリム』に行ってきた。
会場は友人でもあり、幻の「おにぎり隊」メンバーでもあったフクマカズエ氏が営むカフェギャラリーHasu no hana CAFE。そもそもこのお店自体が完全なるセルフビルドで実に実に素晴らしい空間なのだけれど、以前からその著作でもセルフビルドをテーマにされている中里さんにピッタリな空間だなあと超個人的に思っていた私にとってはまさに夢の共演!カズエ氏から開催の一報を受け取った時には小躍りして喜び、楽しみにしていた企画。

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これまで独自の視点で様々な写真を撮ってこられた中里さんの今写真集のテーマは「手描き看板絵」。20年ほど前に見かけた手描き看板絵をキッカケに「いつか撮りたい」と思っていたものの、月日は過ぎ「絶滅危惧種」だったものが「ほぼ絶滅」という窮地に追いやられている事態に気づき、「今撮らねば!」と慌てて日本各地を回り撮り貯めたそうである。とはいえ、ただ「ヘタウマ」の看板絵を撮っている訳では無い。そこは中里さんならではのフィルターを通し厳選された名作ぞろいである。「精密さ」と「抜き」が混在する独特の描写や、時間の経過によって退色が進んだ色の美しさ、どこかうすら怖く感じる雰囲気をまとい、何とも味わい深いのである。中里さんはそれらをひっくるめて「グリム」と名付けた。架空の画家「グリム」が日本各地を旅をしながら看板絵を描いていると想定し、行く先々でグリムが残した作品を探し求め、発見しては撮り貯めてこられたのだ。

そして昨夜はナイトウォークイベントと称し、中里さんが復刻された幻燈機(ふろ)を使って夜の鵜の木の街の様々な場所で「グリム」を投影するというイベントを開催。大の大人20人ほどが集まり、閑静な住宅街や高台にある公園など、暗がりをゾロゾロと歩き、民家の壁や公衆トイレ、参加者の背中なんぞにボンヤリと映し出される「グリム」に「おお〜」とか「いいね〜」とか声をあげる、という何とも不思議で可笑しな時間を過ごした。中里さん曰く「本来は1人でひっそりと映してやるのが一番楽しい」という事だったので、20人というのは大分奇妙な雰囲気ではあったけれど、これはこれで面白かった。

こちら出発前。幻燈機「ふろ」を持つ右側の方が中里さん。左側の方はご友人の方が飛び込みでお手伝いしてくださった。
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ヒジョーにわかりづらいですが住宅街をゾロゾロと移動しながらも参加者の背中に「グリム」。
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さらにわかりづらいですが民家の壁に「グリム」。
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イラストにも描いたけれど夜の街は思った以上に明るく、かすかな幻燈の光の邪魔をする。そのため光を遮断する専用の道具(虫取り網の様な形状で網の部分が遮光布製?)で街灯の光を黙々と隠して下さっていた方、有り難うございました。
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階段をゾロゾロ。
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公園をゾロゾロ。
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時々すれ違った地域住民の方、さぞ不気味だった事であろう。

路上から戻った後は、Hasu no hana CAFEにて『グリム』の世界をスライドショーで。中里さんの解説がまた素晴らしく面白く、皆でワハワハと笑い、時にはツッコミを入れつつとても楽しかった。これまで中里さんの写真集といえば「一人で眺めてほくそ笑むもの」だった私としてはそれがとても新鮮なのだった。

最後にサインを頂いて感無量。「あ、日付間違えちゃいました」という中里さんもとてもチャーミング。
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展覧会は23日(日)まで開催中。ご興味のある方はぜひHasu no hana CAFEの空間ごと楽しんで頂きたい。
あ〜とてもとても楽しかった!素敵な催しを実現してくれたカズエ氏、有り難う!!


こちらが『グリム』。表紙の絵も20年前に撮影されたもの。西洋への憧れを感じるタッチ、でも顔は公家顔。昨夜はオマケのカードも頂いた。舞鶴の「海注意危険!」のちょい怖サーファー。
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by sakamotochiaki | 2011-10-16 09:27 | ◎こんな日々 | Comments(0)