煤と墨

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今日、ついに、ようやく、我が家に新メンバーがやって来た。2ヶ月歳の黒猫きょうだい。

大病と戦っている最中の先住・楳にとって、少なからずストレスになるだろうという懸念や、その最期まで楳一匹にひたすら情愛を注いで暮らすという事の甘美さだったり怖さだったり、ストレスを承知で同じ猫語仲間との時間を少しでも作ってあげたいという、それを望んでいるかもわからないのにーなお節介心だったり、楳を失った時の自分がどうなってしまうのかという途方も無い不安感や、かかりつけ医が話していた「別の猫の存在が良い方に進む事もある」というある種の「起爆剤」になってくれるのではという願いや、色んな感情がグチャグチャになりつつも、最終的には「後悔しないため」というやはり自己満足かよ!の元に新しい猫を迎える事に決めた。

とはいえ、道端をいくら探してたとて、雨の中ダンボール箱に入れられた捨て猫を見つけるなどという目を持たないらしい私は(というより、楳で使い果たしてしまったのか)、運命の出逢いは諦めて素直に「里親」になる道を選んだ。
「南中野地域猫の会」という、飼い主がいないために殺処分されてしまう地域猫(つまり野良)を減らすべく、日々活動されている会をTwitterで教えて頂き、そういう所からの譲渡契約っていうのは何かと敷居が高く、審査も厳しいのでは...とやや腰が引けつつも、思い切って連絡を取ってみた。ら、これが全くそんな事はなかったので心底ホッとした。(某SNSの里親コミュニティなどは決まり事が難解すぎて、私の様に猫を飼いたくても尻込みしちゃう人は多いはず)
で、あらよあらよと乳母ボランティアをされているNさんが育児真っ最中だった「野良の母から生まれた5匹」とお見合いする事になったのが今から一ヶ月ほど前。どういう猫がやってくるのかはわからなかったので、どうしても相性が合わない場合、お断りするのも少し気が引けるな...と正直思っていたものの、Nさんがキャリーバッグを開いた瞬間、そんな心配は吹き飛んだ。ワラワラうごめく黒猫(というよりもチャコールグレーか)5匹はバッグの中で物凄い熱量を放っていて、その姿が目に飛び込んできた瞬間、何故だかブワアアと涙が出た。

「黒猫」という私の好みど真ン中(それが5匹もいるという眼福ぶり)というのもあったかもしれないが、それよりも何よりも、このところ「病気」というものや、それに立ち向かう事や、老いだとか、抗えない運命だとか、ともかく様々な重たい現実と向かい合い続けねばならない日々を送っていたせいもあったのだろうと思う。キャリーバックの中でただひたすら生きる事に邁進している5匹が、まだ何にも侵されていない生命力の塊が、やけに眩しかった。生後一ヶ月という彼らは、手のひらに乗せてもまだキウイフルーツほどの重さしかないのに、じっとりと汗ばんで、そうしているだけでエネルギーをどんどん放出していて「あーもー降参です。うちに来て下さい。」というほか無かった。

さて。
新たに猫を飼うだろうとは思っていたが、まさか2匹?!と思われた方も多い事でしょう。私も家人も「まさかの2匹」だった。1匹だけのつもりでいったのだが「1匹よりも2匹の方が何かと楽。しかも兄弟なら間違い無し」話を伺うにつけ、なるほどなーと思い始めた。まあ、確かに複数匹飼われている猫マスターの方々からしたら、二匹も三匹も同じかもしれないけれど(笑)
しかしさすがに「うーん、2匹か〜(経済的に心配...)」と考え込んでしまった私をよそに「じゃ、2匹で」とあっさり決めたのは意外や家人だった。なーーーーぬーーーー?!とたまげまくったが、「あ、そそそそうなの?んじゃま遠慮なく!」とお互い一匹ずつ選ぶ事になった。ここでも家人は即決したのだが、何しろ猫を選ぶなんて未経験なものだから(楳も楳の方からやって来た様な猫だしね)悩みに悩んだ。とはいえじゃあ5匹飼えるのかといえば、それはもっと無理!なのでそこは心を鬼にして決断。

こちらは家人が選んだ子。誰よりもオレオレ!と前に出て来た子。名前は煤(すす)にしました。楳の事を煤だと思っている方が多くて、ずっと可愛いなあと思っていたのと、楳と仲良くなってくれるよう、某の字を共有。真っ黒ではなくて模様が特徴の♂。私の姿を見るだけでゴロゴロいうゴロゴロ安売り王。
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そしてこの子は墨(すみ)。5匹の中で一番黒くて、腹毛の一部だけが白いのが特徴。「グーグーだって猫である」にも登場する声のないニャアをしたのが決め手となり私が選んだ。最初に会った時は大人しい印象だったのに、今日は煤よりもアクロバティックに動きまくっていた男勝り♀。
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それにしても名づけというのは難しくて、楳の様に友達がスパッと決めてくれたりすると良いのだけれど、「墨の原料には煤が使われる」と知り、決めた。どっちもすーちゃんなので、そのうち「すすお」とか「すみこ」とか呼ぶんだろうな。既に「すコンビ」とか「すみす」とか呼び始めているけれど。(ちなみに「松竹楳」でいーじゃん!という私の意見は土壇場で却下されました...)

そして問題の楳とのご対面。双方シャー(墨なんか毛が逆立ってる)。この後楳は2階へ行ってしまわれた...。
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私の猫教科書「グーグー〜」の「先住猫は何でも一番にしてあげるが吉」を教訓に、ゴハンも抱っこももちろん楳が一番目。子猫らにゴハンをあげる時は楳に「次はこの子らにもゴハンあげて良いよね?」とことわりを入れ、家人と交互にご機嫌取りをしていたら、少しは落ち着いた様な気がする。
やはり楳は我が家の一番目の猫。それは忘れちゃならないし、忘れようも無い。時間がかかっても3匹が共に穏やかな生活を送れるよう頑張ろうと思う。

とはいえ子猫のエネルギーたるや凄まじい!!楳は保護時から俊敏さ皆無の猫だったので(泣)、「これが子猫というものかー!」と驚いている。今もすぐ横のケージの中で運動会。そりゃあ腹も減るよな。いっぱい食べて大きく健康な猫になれ!
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そんな訳で、しばらく外に出かけたくない症候群になりそうである。そんなこた言ってられないのである。働くよ!


最後に。
今回ご縁がありお世話になった南中野地域猫の会の皆様、Mさん、そして大事に大事に子猫らをここまで育てて下さったNさんに心からの感謝を。有り難うございました。これからもどうぞよろしくお願いします。


さあ、楳も頑張ろね。(友達ブランドNEW WAY NEW LIFEの何年も着倒したアップリケTシャツをリメイクしてみた。バンビを背負う猫です。)
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by sakamotochiaki | 2012-07-01 00:20 | ◎猫たち | Comments(2)
Commented by ホホ at 2012-07-01 14:31 x
かわいいねえ〜!
いろんな意味でいい決断だよね。
ぐーぐー。また見たくなったし。
Commented by sakamotochiaki at 2012-07-01 18:45
ホホさま
ありがとうございます。かわいいです。
でも楳もやっぱりかわいいです。
本当にこれで良かったんだと思える日が来るといいなあ。
2匹は我が家の希望の光です。