動物と暮らすこと。

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昨日バイト先の同僚の女性から、
「そうだ、坂本さん猫を飼われていましたよね。実は子供達(小学生2人)が犬を飼いたいって前々からずっと言っていてどうしたものかと。」
という相談を受けた。たまたまペットショップで子犬を見てしまった事で「おねだり」が更にヒートアップしているらしい。クリスマス前でもあるしね。
ご自宅は小型犬のみ飼う事が許されたマンションだそうなのだが、彼女自身経験がないのか、室内で動物とどうやって暮らしたらいいのかわからない、出来れば子供達を何とか説得して諦めさせたいとの事だった。
最初は「毎日散歩大変だよ〜と脅してみては?」とかテキトーに答えていたのだが、色々話しているうちに実家で私が小学生から大学1年まで(正確には上京してしまったので高校まで)飼っていた犬の話になり、自分がいかに最低の飼い主であったか、今その事を心底後悔していて、何かにつけ思い出すが、しかしもう取り返しがつくものではないので、これはずっと私が背負って行かねばならない罪だと思っている、というバイトの昼休み時間の茶うけ話にするにはちと重たすぎる話になってしまった(反省)。

しかし思い起こせば、それも楳という猫が我が家にやって来てからの様に思う。それまでは子供ならではの残酷さを時折「あーあ」と思い出す事はあっても、どこか目を背けていたところがあった。
行き倒れ寸前の楳を保護した時も、「弱り果てた子猫(だと思っていた)を保護した!」という行為に興奮しているばかりで、飛び込んだ動物病院の医師に「そのままになっていたら死んでましたね。でもまだ油断出来ませんよ。」と言われた時、「え!勢いで保護したのはいいが、これから死んじゃうかもしれないのか!」と衝撃を受けた。もしも死んでしまったらその後どうしたらいいのか全然わからない。...というかそれはとても困る!展覧会の搬入を1週間後に控えて凄く困る!家人にも迷惑がかかる!わー!大変だー!と事の重大さに気がついた。今、ガスヒーターの前で弱々しく丸まっているのは消え入りそうな命で、ボロボロのぬいぐるみではないのだ(当たり前)と、ようやく妙な興奮から目が覚めたのだった。勢いばかりで行動する質で、実情把握が遅すぎる己に心底呆れたがしかし呆れている暇は無かった。

幸い楳は医師の的確な治療と、これでもかと実践した「強制給ハイカロリー餌」で何とか生き延び、「楳」という読みにくい名を授けられ今に至る。その後もずっと病と戦ってばかりの約4年の日々を送っているが、お陰で私もずっと命というものを見つめ続ける事になった。「強制給命との対峙」だ。けれどそのせいで、あの、今は亡き実家の犬の事を度々思い出す様になった。楳を大事にすればするほど思い出して後悔し、心で詫びた。もしかしたらそれを教えるために、私の元へ楳がやって来たのかと思うほどだ。

だからというか、先の同僚女性の子供らに「最後まで責任を取れないなら飼うべきではない」などとは言えなかった。「どの口が言う!」だからだ。
「ペットショップで買うのは凄く高いからって言ったら、保健所ならタダで貰えるって子供らもよく知っていて(苦笑)でも保健所の犬って人間不信そうじゃないですか。なかなか慣れなそうだし...」という彼女の言葉にも、そりゃあ色々思う事はあったけれど、ひとまず「ペットを飼う前の心構えをまとめた良いサイトがいくつもあるので、それをじっくり読ませてみては」と答えた。私はそこで熱弁を振るう立場にはないし、そこで熱弁を振るいまくる「度を超した動物愛の人」でもない。

けれど、ごくごく個人的に思う事は、動物を飼うタイミングというのは、動物の方から突然やって来るものだ、という事。それはもう自分の心構えや環境が整っていようがいまいが、そんな事は無視していきなりやってくる。そして有無を言わさずその命をポーンと預けられ、訳もわからずオタオタしたまま、その命のために毎日必死になる。ならざるを得ない。言う事を聞かないからとか、飽きたからとかで途中放棄なんて出来ない。気付いた時には自分の生活の一部になっている。それは嬉しい事も、悲しい事も丸ごとひっくるめて。まあ、これはあくまで「私の場合」だけれども。

TwitterのTLに流れてくる「里親募集」ツイートの中に、時折100%飼い主の事情で何年も共に暮らした動物を捨てるとか、保健所に連れて行くだとかいうのを見かねて、代理で里親募集している方を見かけるが、あれは根本的に理解に苦しむけれど、一周回って哀れに思えてくる。例えば被災地で、それこそ愛情を注ぎ、注がれし合って生きてきた飼い主と動物が離れ離れを強いられ、そのせいで動物が飢えて死んでしまうという状況を想像したら、自分の行為をどう思うのか。(いや、どうも思わないから出来る所行か)
先の犬を飼いたがっている子供らにも、そういうサイトを見せてあげるべきだったか。(けれどその時は感情移入して涙を流しても、ケロッと残酷な事をするのが子供でもあるしな)...難しい。


そういえば少し前に、やはり別の同僚女性から「一緒に暮らしている彼が保護した子犬」の相談を受けた。
既に先住犬(こちらも保護した)がいるので、彼は里親を探す考えで、今は彼の実家に子犬を預けているのだが、先日その子犬に会いに行ったら最後、どーしても飼いたくて仕方がなくなってしまった、かわいい子犬の事が頭を離れない、けれど先住との相性もあると思うし...どう思います?と彼女。写真も見せてくれた。既に親バカ全開であった。私はニヤニヤ笑って「それ、次に○○さんに会う時には、たぶん飼ってますねー」と答えた。明後日久しぶりに彼女に会うので予言(?)が的中したか聞くのが楽しみである。



※写真は昨日の楳。この目に見つめられたら全てを見透かされていそうで、真摯に向き合わねばっていう気にもなる。
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by sakamotochiaki | 2012-12-19 12:03 | ◎こんな日々 | Comments(1)
Commented by ホホ at 2012-12-19 13:26 x
うん。