徹夜はお肌に悪いのよ

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前から書いているけれど、私は朝型のイラストレーターだ。
と言っても、まだ薄暗い早朝から仕事を始める村上春樹の様な規則正しさは全くなく、「おはよう」の挨拶が通じる時間帯には起きるという程度の朝型。飲んでいて朝でした、はあっても、仕事をしていて気付いたら、という事はほぼ無い。基本的には「人は夜は寝とけ」と思っている。(だから以前、不眠に陥った時の私の焦りぶりは大変なものだった)

これは学生時代からの習慣でもあって、大学の課題で徹夜をしたというのは4年間で確か1〜2度ほどだったと記憶している。当時は今の5割増でひねくれた若者だったので「課題で徹夜をするなんてアホらしい」と思っていた。4年間の集大成ともいえる卒業制作ですら提出の1週間前に完成してしまい、間に合わないと悲鳴を上げているクラスメイトのヘルパーをする事で、私も悲鳴をあげざるを得ないという事はあったが。

眠らなかった時間分、それに比例して素晴らしい作品が生まれるとは思わなかったし、実際、目の下にクマを作ったクラスメイトの中で、それだけの作品を発表した人も残念ながら居なかったように思う。普段はメイクも抜かりなく、髪の毛やマニキュアのお手入れも完璧なクラスの女の子達が、まるでホラー映画に出てくる脇役達の様に、一人また一人と死んでいく(実際は荒んでいく)のを見て、「あらまあ」と親戚のオバハンの様な気持ちで見ていた。
で、普段から荒んでいた私はどうしていたかといえば、転がる死に体の中で普段は塗らないマニキュアを密かに塗ったりするという、一人っ子特有のあくまで「自己完結型」勝者の余韻に浸っていた。 (何故か「お点」も良かったので)

そんな私がここで「仕事が忙しい」と書く時は、あくまで「6時間睡眠を削ってしまいそうな」忙しさレベルだ。で、実際はそれほど削ってはいない(と思う)。本当に本当に忙しい時は日記なんて書けないし、本当に本当に忙しい人に私の生活をご披露したら、「ざけんなよ」と往復ビンタを食らうくらいじゃ済まないだろう。まあ、24時間の配分や価値観は人それぞれだから、許してねって事だ。

で、前置きが長いが、今私は忙しい。(あくまで前述したレベルで)
しかし、こうしてダラダラと文章が書けているというのは、暇だ。どっちなんだよ、という話だが、昨日入った某誌のお仕事が、〆切りが明日という超超タイトなスケジュールなのだけれど、そのラフスケッチのチェック待ちをしているのだった。 この待ち時間が長くてかなり無駄。
なんやかんやで夜型が主流の出版業界では、私が朝から仕事してラフを最速で仕上げて送っても、こんな風に全く意味がない事の方が多い。しかしそれも仕方がない。私の方がこの業界ではマイノリティだ。24時間の配分や価値観は人それぞれだからねい。

結局は、今回の様に本来昼までには描き終えられちゃうスケッチをダラダラと悪戯に時間をかけて描くか、描き終えちゃったラフを寝かして他の仕事をするか、遊ぶかしかない(「しか」てこたないが、いつでも作業出来る様に、となると遠出は出来ない)のだが、わかっている事は、確実に私の本番制作時間が減って行く、という事なのだった。〆切りは延びませんのでね。それもこれも私が「昼型」のせいなのか、と思うと何だか切ない。でもそれに合わせて「夜型」になるのは、体制に屈した気がしてもっと切ないので絶対にならない。負ーけないぞえ(蘭々)。

しかし、あんまり腑に落ちなかったので、他にもやるべき仕事はあったものの、仕上がったラフを寝かせつつ、気分転換に小一時間ほど阿佐ヶ谷『ゆうやけ市』に行って来た。
開催場所もよくわからないまま行ったので、なかなか辿り着けず不安になったが、どこからともなくジャズの生演奏が聞こえて来て、慌ててヘッドフォンを外した。
メインの商店街より少し離れた古い商店街が沢山の人で賑わっていて、瞬間的にテンション上昇。『○○市』ってなんでこんなに胸が踊るやら。「青梅市」とか「調布市」じゃアガがらないのになあ。
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ダラダラと一人練り歩いて、阿佐ヶ谷保育園で取れたという「銀杏」を二袋購入し、また少し歩いて手作りの「大学いも」を買って歩き食べる。
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ビールでも飲みたいと思ったけれど、帰ったら仕事だしなあとセーブしていたが、水分無しで食べていた芋で見事に喉を詰まらせたので、たまたま目の前で売られていたワインを慌てて買って飲む(イラスト参照)。ちょっと死ぬかと思った。しかも結局お酒飲んじゃったい。

フリマで100円のカットソーを入手後、完璧な気分転換を果たして帰り道、外しっぱなしだったヘッドフォンに気付く。
私がipodを購入したのは、去年、bonobosの『beautiful』という曲をいつでも何処でも聴きたいぞ、と思ったというのと、ひたすら長く無味乾燥だった駅からの帰り道やウォーキングコースを何とかして誤摩化したい、気分を紛らわせたい、と思ったからに他ならないのだけれど、うっかり外しっぱなしでも気が付かないという現状、道具を使って誤摩化さずとも、街の音(言ってみれば雑音)で事足りているという幸せに、ちょっと泣けそうだった。町田には悪いが、ちょっと大人げないくらい声高に、両手を天に突き上げ叫びそうになった。

うわーーーーーーーー!!!!!!!
引っ越して良かったーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

いやホント良かった。


とか言いながらその後、高架下を歩いて家まであと3分という時、何気なくヘッドフォンを装着したら、ペペカリフォルニアの『MELI-FALI』が。今、私が聴きたい曲を見透かした様にipodに潜むシャッフル小人DJによるまさに神業。やっぱりやるなあ、iPod。
と、大分支離滅裂ですが、音楽を聴く聴かないの選択が自由(いや、別に元から自由だけれど)って、「何となし」に聴けるって、とても有り難い事だな、と思えたので、今日のこの無駄な時間も無駄じゃなかったと思う。
さ、働こ。でも徹夜はしないのだぜ。
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by sakamotochiaki | 2007-10-21 18:58 | ◎こんな日々 | Comments(0)