レビュー6月

日記と重複しているものもあったり、日記に書いているので省略したものもあったり。

コミック『臨死!江古田ちゃん』3巻 瀧波 ユカリ
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もはや私の生活で「猛禽」は常用語となっているが、
「翼の折れた猛禽」には泣いた。新語として早速インプット。
2巻と比べると、飛躍的に打率がアップした3巻では、
「サイレントリバース」
「路上での青春学芸会」
「帰国子女との静かな戦い」
が個人的にホームランだった。
ホント、痒い所を思いっきし掻きむしってくれる漫画だ。
人気が出ても、このミニマムぶりを維持し続けて欲しい。

DVD『 インファナル・アフェア』
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これまでどちらかと言うと苦手だったトニー・レオンを克服した作品。いや、一転惚れ惚れした作品と言えましょう。
何せ初めてスクリーンで彼を観た時は、石鹸相手に愚痴をこぼす様なナヨナヨした男だったので、もう全然受け入れる事が出来なかった。が、トニー・レオン、ここは素直に謝ろう。あなたは素晴らしい役者だ!!!
もう一方の主役であるアンディ・ラウも文句の付けようが無い。やっぱり男は歳を積み重ねてなんぼだね。
と言いながら、この物語に登場する二人の男は「生き続ける事自体が地獄」という運命を抱えながら、他人を演じ生活を送らねばならないという、しかもそれは命がけの嘘であり、終わる事のない悪い夢の様な世界に生きている。
細かな描写や表情から彼らの葛藤が、観ているこちら側にも嫌というほど伝わってきて、一緒に悩み苦しみ焦り、一瞬たりとも気を抜けなかった。
本当の自分を失うという気持ちはどんなだろう。この世で、ひょっとしたら唯一無二の自分の理解者であるかもしれない人間を失った時の絶望感と、それを抱えて、それでも生きて行かねばならない気持ちは。
脚本(台詞秀逸)、キャスティング、音楽、スピード感、全てにおいて完璧。完璧過ぎてちょっと鼻につくほど。
観終えてもしばらくトニー・レオンの残像と、ラストの屋上から見えるどこか悲しい色をした景色が頭に残っているが、それはそのままアンディ・ラウが、生きて行く限りずっと抱えて行くものと同じかもしれない。
男だらけの、男臭さ溢れる作品はやはり良い。つくづくそう思った。

本『いのちの食べかた』森達也
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「食」という切り口ではあるけれど、一貫したテーマはこれは限った話ではなく、何にでも共通する。
思考を停止してはいけない。想像しなければならない。知らないままで済ませてはいけない。弱さも愚かさも自覚しなくてはならない。根拠の無い差別や偏見に、流されてはいけない。
何ともっともな事だろうと思いながら、実際それが出来ていない事の多さに、この本を読んで気づき、驚く。
決してきれいごとを並べない、実にフラットな森さんの言葉にも共感した。こういう話で、その真逆にいる人が、私はどうも苦手なのだ。
しかし森さんのおっしゃる通り、この本を読んで私が得たものは、森さんからの受け売りである。私が実体験し、見たものではない。なのにそこでつい、自分も全てを見知った気になって、思考を停止してしまう。それじゃあいかんのだと痛切に感じた。
読んで良かった。何度も読んでしまう。
もっともっと沢山の人が読むべき本だと思う。

本『ゆん』山本精一
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サ店で読みながら、こらえきれず笑ってしまう箇所多数。
凄く変な本。変な文。変な人。その周りも変な人ばかり。
でも、山本さんには嘘と壁が無い。
こういう人は最強だと思う。
こういう人は信用していいと思う。
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by sakamotochiaki | 2008-06-29 23:40 | Comments(0)