心して生きなければならない

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今日は特に書く事もないと思って過ごしていたのだけれど。

夕方、テレビを見ていたら女優の深浦加奈子さんの訃報が流れ、驚いた。
まだまだお若く、これからますます活躍されるはずの女優さんで、本当に信じられない。

私がまだ学生だった頃、お手伝いしたお芝居に出演されていた深浦さんは、いつも美しくて、堂々とされていて、エネルギッシュで、気高く、眩しかった。これが「女優」というものなのだと、その立ち振る舞いや発声の一つ一つに、ひどく感心して見とれたものだった。
彼女は「告訴魔で、選挙に出馬する少々イカレたオバさん」という役柄で、私は舞台で使う彼女の選挙ポスターを描かせて頂いた。当時住んでいたボロアパートの台所で、真夏に汗をかきながら(当然エアコンなど無い)、事前に撮らせてもらっていた彼女の美しいスナップ写真を見つつ必至になって描いた。何だか闇雲に楽しかった。が、その舞台の作演出をされていた松尾さんの指示で、ちょっとやりすぎか?って程に、まるでデーモン小暮の様なひどいメークを描き込んだので、彼女が怒りはしないかとビクビクしていた(何しろまだ10代だったので)。けれど後々、楽屋でメイクをしながら「どんどんあのポスターに似てくるわね〜」と深浦さんが笑って話していたというのを人から伝え聞き、ホッとしたのを覚えている。本当にキラキラした素敵な女優さんだった。私は1ファンだったに過ぎないけれど、テレビ画面を見ていて、ぶああっと、当時の記憶がよみがえって、たまらない気持ちだ。

ご冥福を心からお祈りします。

それにしても48歳。若すぎる。しかし、もはや10代からは遠く離れた私にも容易に想像がつく領域でもある。心して生きなければならない、そう思う。そういう年代に自分が足を踏み入れた事を感じる。


〜同日追記〜

一度寝たものの、真夜中に目覚めてしまった。
そのまま暗がりの中、死について考える。
戯曲「ふくすけ/悪人会議」を本棚から引っ張り出す。
深浦さんのパワフルな姿と声が、目に耳に鮮やかによみがえる。
凄い女優さんだった。本当に。
同時に、あんなに生命力に満ち満ちた方が屈した病の恐ろしさを、一層強く感じる。
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by sakamotochiaki | 2008-08-26 21:24 | ◎こんな日々 | Comments(0)