夏休み最後の日

c0138553_12562530.jpg

ここ数日、何やら「ダメな日々」であった。
午前中ウォーキングなどしてそれなりに元気だったはずが、午後になって予告も無しにダメモード突入という様な有様で、一昨日などはほぼ一日寝倒してしまった。
前日に高円寺文庫センター(こんな時、あの空間は本当に落ち着く。360度適温空間。)で、小銭が入ったのをいい事に、まとめて買いした漫画をむさぼり読んでは寝る、という堕落ぶりだった。
堕落のお供は山岸凉子の『テレプシコーラ』第二部1巻、山本直樹『レッド』1巻、大島弓子の『サバの秋の夜長』『サバの夏が来た』。

このテンションでしっくり読めるのは、何つっても『サバの〜』2冊だった。前の日記に散々『グーグー』の事を書いた私だが、またしても順序が後先になってしまった。大島さんが愛猫『グーグー』と暮らし始める前に、長い時間をともに過ごしてきた先住猫『サバ』との日々を綴った作品。これを読まずに映画を観てしまう所だった。良かった。
普通の人がただ漫然と暮らしている日々は、ただ漫然と暮らしている日々のままで終わってしまうが、大島さんの目や頭ン中では、些細な事や物が突然キラキラと輝いて、貴重で愛しい日々になるのだろう。それ故、悲しさや痛みも倍々に増して、ちょっとした事にも傷つきかねないが、世界は確実に彩度を増す。
たかだか数年前まで、苦手で苦手で手にする事を避けてきた大島さんの絵柄なのだが、このシリーズでますます克服。というか好きになった。「動物の擬人化=メルヒェ(へ)〜ン」という安易な発想に凝り固まっていた過去の己に平手打ち。歯ぁ食いしばれーい。押忍。ノイローゼ象のハナコさんが「セーラー服姿で三つ編みの女の子」という描写、秀逸。大島さん同様にずっと苦手だったくせに、一転好きな漫画家として私の脳裏に燦然と輝く山岸凉子の『妖精王』を読んだ時も、同じ様に思った。メルヘンとはそんなに単純ではないのだ。ふわふわキラキラ可愛らしいペールトーンばかりじゃない。むしろ闇。闇は怖いが、闇はいい。闇あってこそ。

話は全然変わる。
そんな日々から脱却すべく、今日は学生時代の恩師である神山明先生のお宅へお邪魔して来ました。
ご自宅へ伺うのは実に10年ぶりだったけれど、相変わらず素晴らしい空間で、玄関に入った瞬間から、内と外に漂う空気の違いを感じた。空気がだだ漏れな場所から、気密性の高いに場所に足を踏み入れる感覚。外からの視線にさらされない設計であるためか、まるでシェルターに居る様な、防音ルームにいる様な独特の安心感がある。かといって、家の中央にある吹き抜けのテラスの採光と緑のお陰で、開放感も十分。時間がゆっくりと流れていて、テラスで無防備に寝そべる美しい猫がまた、余計に私を溶かす。だらりと寝そべる猫を差して、先生は「液体ですね」とおっしゃっていたが、私も、一緒に行った工房くらげのシミズナオコも、確実に「液体」だった。まさに固体が液体になってしまう程の居心地の良さであった。

とーてーも美味しい先生の手料理(グリーンカレー!ラムのロースト!!クスクスのサラダ!!!)をむしゃむしゃと食べ、奥様に勧められるままにビールをガブガブと飲み、デザートと赤ワイン(まるで水の様にクイクイ飲めてしまう美味しさ)まで頂き、後半はやや思考が止まりつつあった。お酒を飲まれない先生の目には相当頭の悪い教え子に映った事だろう。私という人間は、つくづく漫画脳で、無知で、不勉強で、だだ漏れて生きていると痛感した。

午前中からお邪魔して、気がついたら夜の7時(!)まで居座り、飲み食べ散らかし、RCサクセションの『ラプソディ』のDVDまでしっかり観て、行きと同様に最寄り駅まで車で送ってもらい、「何様か」と大変恐縮した。が、とても楽しかった。気がつけば昨日で8月は終わりで、まさに夏休み最後を締めくくる、といった一日だった。夏休みなんか、関係ない人間であるのに。
c0138553_12571966.jpg


※イラストは先生ご夫妻(似ていない…) 。
おまけは数日前にベランダから見た光る雲。
c0138553_12584577.jpg


 液状化する前にお一つよろしくお願いします。
[PR]
by sakamotochiaki | 2008-09-01 13:05 | ◎こんな日々 | Comments(2)
Commented by 加藤 at 2008-09-01 21:56 x
福田首相が辞意を表明しましたね。

私も液状化することがあります。腑抜けになることがあります。

普段から緊張が強いので、そんな時はむしろ気が済むまでだらだらします。
たいてい天気で気分が変わります。

保育園のこどもたちもだらだらする時間を大切にしています。放心状態とか。
もうたそがれ上手のこもいます。

私は自分に甘えてしまいがちです。根っからの怠け者の一夜漬け体質なので。
今年の目標は「こつこつやる」でした。すでに過去形ですが。

グーグー楽しみですね。
細野さん好きなのでサントラも楽しみです。
Commented by sakamotochiaki at 2008-09-01 22:58
加藤さん
夕食後のウォーキングがてら、近所の公園にノラ猫餌付けに行って(4匹も居ました)、
帰って来たら福田さん一色でした。

たそがれ上手な園児ですか。はー。
私はオレオレ園児(周りを蹴落としてもまず我!というタイプ)だったので、そんな時間はなかったですね。
今、そういうパワーが何処にも残っていませんけど。

一夜漬けというと、私の母がそういうタイプで、
いつもかなり危ない橋を渡っている姿を見て育ったせいか、
私は一夜漬けがあまり得意じゃないんです。
そのせいで、一夜漬けの、追いつめられた時に出る「火事場の馬鹿力」に憧れます。

グーグー、仕事が片付いたら真っ先に行かねば。