<   2011年 12月 ( 3 )   > この月の画像一覧

c0138553_92354.jpg

重なる時には重なるもので、楳の治療が始まったと思った矢先、今度は母が入院・手術をする事になった。手術自体はさほど難しいものではなさそうとの事だがそれでも体を切る事には変わりなく、日頃年不相応なほどに若く元気な母だとてこれは一大事である。なにぶん高齢でもあるし、無事手術が済んだとしても日常生活を元通り送れる様になるためには時間を要すだろう。加えて、父は数年前に患った脳出血の後遺症があり、ほんの少しだが体が不自由ときている。
そんな訳で年末進行の東京を、例年より少し早くおいとまする事になった。順調にいったとしても母の退院は年末ギリギリを予定しており、そのまま年始まで実家で過ごす事に。お仕事関係各位にはただでさえ忙しいスケジュールを無理に前倒して頂いたりして大変ご迷惑をおかけする事となり申し訳ない限り。通常営業は年が明けてから母の回復具合を見つつの帰京次第...と思っております。すみません。

さて問題は楳。通常ならばこういう時は迷わず楳を連れて帰省するとこだけれど、楳も治療真っ最中であるので、年末ギリギリまで東京を動けない。置いて行くのは心残りであるけれど、家人に通院や世話の一切合切を託す事にした。年末になったら一緒に仲良く帰省してもらう。家人には初めての事ばかりなので、正直かなり不安なのだけれど、以前と比べたら家人と楳は恋仲だし、何とか2人(いや1人と1匹)とも頑張って下さい。お願いします。

師走半月分が突如消え失せるというのは思いの外大変な事態で、色んな方面にペコペコしながら、「年内に片付けねばならないアレコレ」を前倒してアワアワと消化中。こんなペコアワの師走は初めてじゃなかろうか。それと反比例して、本当に消化したい家の掃除は全く手につかない。このまま年越すんだな。で、「今年のまんま」のこの家に新年帰ってくるんだな。ああ、こんなはずじゃなかった...。て今年何度思った事だろう。全く今年はどうかしてる。それでも色んな事が不幸中の幸いでとどまっていて、何となくいずれくるもっと大きなダメージのための予行練習をさせてもらっている様な気持ち。まあこの感覚は地震以降ずっと続いているのだけれど。そう思ったら、ここで凹んだり、萎えたりしている場合ではないのだった。
とにかく母の手術が何事もなく無事に済んで、退院出来て、楳と家人と合流して、家族でお正月を迎えられたらいい。一年前はごく当たり前だった事がそうじゃないんだとわかっただけでも、私人生年表においては十二分に特別な年だ今年は。テストがあったら必ず問題に出るという位に。楳と2週間以上離れ離れになるのは初めての事で寂しいけれど、お互い元気で年末の北国での再会を楽しみにしている。

さて、とどめの告知をば。
私の体は東京を離れますが、楳カレンダーと版画はがきが素敵な催しに参加させて頂きます!毎度お世話になっている下北沢のシマシマヤトーキョーさんにて12/18(日)~25(日)※月曜休 に開催される冬の贈り物 締めくくりの「ありがとう」展です。今回は初めてのモチーフを刷りました。それが冒頭の『雪の結晶』です。一緒に納品させて頂いた「りんご」モチーフといい、この「雪の結晶」といい、青森出身としてはこれまであまりに身近なものすぎて注目をしてこなかったものたち。それを改めて作ってみるといかに自分の中に浸透していたものかという事がわかるもので、作業も悩んだりする事なく、やけにスムースに進んだりして「へえ~」とか「ほお~」とか感心しながら作りました。

そうそう、シマシマヤトーキョーさんでは昨日10日(土)から、私も愛用している大沼道行さんの陶展がスタートしています。どこがどうとは上手く言えないのですが、とにかく大沼さんの器は使う度にうっとりします。食器棚から取り出す時、盛りつけた時、使い終わって洗う時、いちいち「ああ、いいな」と思わされるって凄い。何とか帰省前に行きたいと調整して来たけれど、うーむ、キビシそう(泣)どうか私の代わりに皆様行って来て下さい!会期は17日(土)までです。ぜし! ※13日(火)休

ちなみに楳カレンダーは引き続き、経堂のcafe + gallery 芝生さん(通販もスタート!)、吉祥寺のpoooL02さんの『文具vol.02』でお取り扱い頂いております。
20日(火)からは鵜の木にあるHasu no hana CAFEさんにて、楳ステッカーとポストカードと共にお取り扱い頂ける事になりました。
そして札幌のCheerさんのカレンダー展は本日11日(日)までとなります。
それから器モチーフのはがきは阿佐谷の土の記憶さんに納品させて頂きました。冬の贈り物に添えて頂けたら坂本有難き幸せです。

残りわずかな2011年ですが、イロイロどうぞよろしくお願いいたします。


それにしても今年という年は、簡単には言葉にし難い一年で、鮮烈に焼き付いている物事もあれば、やけに曖昧でぼんやりとした印象しか残っていなかったり、奇妙なほどスカッと記憶から抜け落ちていたり、恐ろしく長かった様な気もするし、こんなにあっという間に終わった年も無かった様にも思えるし、頭の中が混沌として、どうにも足下がおぼつかない一年だった。これはもう今すぐどうこう出来るものではないし、する必要もないのかもしれないけれど。
今日で9ヶ月。訪れた寒さと共にスワッとあの日を思い出す。この感覚はこれからもたぶんお付き合いし続けるのだろうな。この感覚のお陰で私の価値感やものの見方は大きく変わらざるを得なかったし、それについて今は後悔していない。こうして実家で過ごす時間を頂くのも良い事かもしれない。なにせネットが無い(iPhoneのみ)、DVDプレーヤーもない、画材も無い(ちょっとだけ持参するけど)、猫も居ない(これ大きい)...1日が家事と病院通いで終わりそうで、あれこれ考える時間には丁度良さそうだ。といいながら案外ボンヤリ過ごしちゃうんだろうか。むーん。


今年も本当に沢山の方々に大変お世話になりました。心から感謝であります。新しい年は少しずつでも前に進める様に、フワフワとした足下は少しずつ固めていける様に、頑張っていこうと思います。
2012年もどうぞよろしくお願いいたします。そして皆様良いお年を!!

楳、青森で会おう。
c0138553_941062.jpg


c0138553_94526.jpg

[PR]
c0138553_6384262.jpg

お知らせが遅くなりましたが吉祥寺にあるpoooL02さんで3日より始まった『文具vol.02』に楳カレンダーと版画はがきで参加しております。(ただ現在楳カレンダーは有難い事に売り切れ中の様です。近日中には追加納品に伺う予定です。)
会期は2月までですが楳カレンダーに関しましては限定数となりますので、在庫が無くなり次第終了となります。どうぞご了承下さいませ。

楳カレンダーは下北沢のシマシマヤトーキョーさん、経堂のcafe + gallery 芝生さん(通販もスタート!)でお取り扱い頂いております。
さらに7日(火)〜11日(日)は札幌のCheerさんのカレンダー展にも参加します。
それと20日(火)から鵜の木にある美味しい珈琲が飲めるアートギャラリーHasu no hana CAFEさんでもお取り扱い頂ける事になりました。こちらでは楳ステッカーとポストカードもございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

昨日は仕事の合間に豪徳寺へ行って来ました。招き猫で有名です。
ちょうど紅葉も見頃で素晴らしかった!その場に流れている空気も気持ちよく、楳に病気平癒のお札を頂いてきました。猫の絵があまりにもツボだったから、というのもあるけれど。
c0138553_6461590.jpg


その後、経堂の芝生さん、ハルカゼ舎さんにて同時開催中のカレンダー展にお邪魔しました。素敵なカレンダーが勢揃い!なのに私、全然関係ない紙ものを入手してしまった...でも良いお買い物だったから後悔無し!
カレンダー展は芝生さんで6日(火)まで、ハルカゼ舎さんが5日(月)までの開催です。ぜし。



.....マウス絵サボりすぎっ!
[PR]
c0138553_2218414.jpg

三人展が始まる少し前、ふとした拍子に楳の右脇の下に1cm弱ほどのしこりを見つけた。
よくよく触ってみたらその付近にも米粒大のものが1つ、2つ。指の先にソレが触れた瞬間、どうか脂肪か何かの塊であってくれ!頼む!と念じながらも、いやこれは「再発」だ...と心の奥底では確信していた。手術した時、乳腺腫瘍はリンパに乗って、脇の下や脳にも流れてしまう事があると医師から聞かされていたのだ。

即座に病院で細胞検査をしてもらい、あまりにもあっさりと「再発」との診断が下った。覚悟していながらも診察室で涙が出た。そのたった3週間前の術後1年検診で「異常なし」という診断が下っていて、それまで一週間、一ヶ月、三ヶ月、半年...と少しずつ積み重ねてきた「異常なし」が一区切りして、ちょっと気が抜けていたせいもあり、正直この「アタリ」にはかなり参った。そもそもそれまでが誤診だったのでは?とか、これまでずっと心配してきたチック症状とか、いやそもそも前の病院からの転院時期をもっと早くするべきだったのではとか、色んな「たられば」が頭を駆け巡ったが、それをどれだけ並べ立てようとキリが無く、とにかく今何をすべきなのか、打てる手だては何なのかを考えた。楳はどうしたいか、という事を当然考えてみたのだけれど、結局そんなものはきれい事でしかなく、最終的には私がどうしたいか、なのだった。私が楳に死んで欲しくない、私が楳に苦しんで欲しくない、私が楳と出来るだけ一緒にいたい、でも我が家の経済事情で許される範囲の治療しか出来ない、という様な実に自分本位な理由にしか結びつかないのだった。

長く続く治療の日程を様々加味した結果、三人展の初日の朝、楳は抗がん剤の治療をスタートした。
週に一度注射を打つ。再び手術によって今ある腫瘍を全て摘出するという方法もあったけれど、今度は前回の様な表層部分ではなくて、もっと深々と取り除かねばならず、しかも再発の可能性も高い(実際半年ごとに手術をしている猫もいるそうだ)。ただでさえ病院が嫌いな楳にとって「手術+入院+術後の不自由さ」が多大なストレスである事は前回の経験から容易に想像がついたし、医師も「この子にとっては手術が最善の方法とは言えないかもしれない」と話し、手術は選択しないと決めた。

では薬による治療となるが、あまりにも副作用がひどく、日常生活を送るのすら辛くなる様ならば楳が可哀相だ、というのと、やはりそれを私が辛くて見ていられないのではという不安もあったのだが、家人とも相談した結果、殆ど副作用が無いという抗がん剤をまずは半年間続けてみる事にした。もしも効果があれば腫瘍は小さくなって、ある程度の年月を「共存」という形で生きていけるかもしれない。もしも効果がなければ、もっと強い抗がん剤という選択肢もあるけれど、当然それには強い副作用があって、金額も今の薬の2倍以上に跳ね上がるので、それをするつもりは無い(というか「出来ない」が正しい)。そこまで来たら恐らく自然療法(サプリメント等による自己治癒力向上)に切り替えるつもりだ。今はともかく攻めてみる。
病院嫌いの楳にとって、毎週病院に通う事もストレスには違いないけれど、それでも「入院」よりも「家に帰れる」方が良いと私が判断した。現在治療を始めて3週目。実際、今でも迷いながらの日々だ。けれど、いよいよ治療を始めようという時期に、楳が珍しく私の目をやけにジッと見つめて、右手をグーンという感じで私の方に差し出した。私はそれを「合意」と見なしたのだった。本当にどこまでもつくづく私は自分勝手なのだ。

治療を始めた日から、今までがっついていたカリカリの食いつきが悪くなった。副作用が殆どないとはいえ、強敵と戦おうという強い助っ人にこちらも加勢してもらっているのだから、何らかの影響はあるのだと思う。かつお節には飛びついてくるので食欲が落ちたというよりは好みが変わってしまったのかもしれない。でも凄く具合が悪そうとか、そういう事ではなく、これまで通り寒いと日がな寝てばかりで、朝6時には噛み付いたり、鳴いたりして私を起こす楳だ。相変わらず眼光も鋭い。

楳の再発の診断が下った日は、寒い冬の雨の日で、奇しくも楳を保護した日を思い出した。あの日も真冬の雨の日で、ガリガリにやせ細り、毛並みもボロボロで、ひどい猫風邪をこじらせていた楳は、うちのマンションの郵便受けの下で丸まって動けなくなっていた。それまで敷地内で野良猫など見た事もなく、今思えば本当に不思議な出来事だった。楳は寒さと飢えをしのぐために必死でたまたま辿り着いたのかもしれないけれど、もう運命だったと思う事にしている。瀕死のところを拾われて辛くも生き延びた特大ラッキーと、まだあまりにも若くして乳がんを患うという特大アンラッキーの振れ幅の広さに、悔しくはあるけれど、そうか、楳はどこまでも「そういう猫」なんだ、という気持ち。私の人生一匹目の猫はこんな所にすら個性がハンパないんだと。さすが楳だと。




神様、どうかもっともっと楳と一緒に居られます様に。
c0138553_22183919.jpg

[PR]