2021年 03月 21日
斉藤和義さんのアルバム「55 STONES」ジャケット |
まさか自分がこのような形で携わることができるとは思いもしなかったので、制作中も度々「夢かな?」と思ったりもしていましたが、一足お先に完成したCDを手にした今頃になって、ようやく「夢じゃなかったなあ」などとじんわり実感しています。
なんというか、生きていると色々なことが起こって、時々嫌になってしまうこともあるけれど、こんな風に思いがけなく、何でもない日に突然花束を渡されるような嬉しいことが起こるのですね。そしてそれは斉藤さんの詞の世界にも通じるように思いました。
ジャケットの表と裏を飾る猫は、斉藤さんの愛猫をモデルに刷りました。まったく異なる表情を見せていますが、同じ猫です。
実在する猫を刷る時は、そうではない猫よりもやはり緊張します。その猫の特徴を可能なかぎり忠実に描くというのはもちろんなのですが、ただそっくりに描くことよりも、どうにかしてその猫や、周りに漂う気配のようなものごと刷りたいと考えていて、それが目標でもあります。
飼い主さんや、その猫と近い関係だった方が、版画を見た時に感じる違和感を完全になくすことは難しいかもしれないけれど、なんとか少しでもその距離を縮めたいのです。……と書くと、なんだか人馴れしていない猫とのやり取りのようですが、あのなかなかにじれったい感じに、案外近い作業のような気もします。
この作品を刷っている間はずっと斉藤さんのCDを聴いていて、緊張しながらも楽しんで刷りを重ねて、重ねて、最後に刷り上がった猫と向き合った時の感覚は、たぶんこれから先も忘れることはないでしょう。
そんな得難い機会を頂いたことに、斉藤さんをはじめ、細やかに対応して下さったスタッフの皆様に改めて心から感謝します。
これまで「35 STONES」「45 STONES」と10年刻みでリリースされてきた記念すべきアルバム「55 STONES」、きっと沢山の方々が手にし、これから長い時間をかけ、何度となく耳にされつづけるのだろうと思います。今という時代を抜きにしても、音楽は大げさでなく心の拠り所であるし、これまでも、これからも、生きるために必要なもので、このアルバムは私にとっても大切な1枚になりました。
そうそう、今作は【アナログ盤】もありまして、ちょっとびっくりするくらい猫、大きいです。原画よりも大きいです。ご予約してくださった皆さま、どうぞお楽しみに。CD共々印刷もとても美しくて、版画の細かなテクスチャーも見事に再現されています。ぜひ末長く可愛がっていただけたら嬉しいです。
いよいよ3/24発売です!!
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by sakamotochiaki
| 2021-03-21 13:23
| ◎お仕事/CDジャケット
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