2008年 01月 07日
正月はもう終わり |
見事なまでに二日酔いの今日。
「ここん家の人は、どんなに酔って帰ってきても
ちゃんと歯を磨いて寝るんだねえ」
と先日我が家に宿泊した友人に言われたばかりだというのに、歯磨きどころか、昨夜は何年ぶりかに化粧も落とさず布団に沈んでしまった。
いや、正確には布団に沈む前に一度畳に沈んで(うつ伏せに)、そっから記憶が途切れ途切れ。朝、クレッシェンドとデクレッシェンドを繰り返す吐き気と頭痛のせいでいよいよ寝ていられなくなり、そこでようやく「おや布団?おや昨日着ていた服?」と我にかえる。が、すぐさま元の世界に引き戻される。その後トイレと布団を数回往復(食材たちよすまぬ)し、何とかして現状打破せねばと朝風呂に浸かってみるも余計に症状悪化。薬を飲むためには空腹ではまずかろうと唯一食べられそうだったみかんを食べても、固形物を諦め蕎麦茶を飲んでも即トイレ直行。そんなに飲んだ訳でもないはずなのに。いや無自覚に相当な量を飲んでいたのか、はたまた正月疲れのせいなのか。お陰様で何とも不健全な方法で正月太りを見事に解消出来たけれど。
しかし、今日は何としても夕方までに復活しなければならない私なのだった。
空気公団(http://www.kukikodan.com/)イベント『空装』に行くために。オールスタンディングのライブで無い事が救いだったが、初めての空気公団を万全の頭と目と耳で体感したい!(だったら飲み過ぎるなよという話だが)‥‥と言っても胃薬も頭痛薬も飲んだはしからリバースしてしまうため、気絶と見まごう程に寝ること4時間、なんとか復活して無事に芸術劇場へ辿り着く事が出来た。ホント良かった。
会場ロビーには結成10周年を迎える空気公団のこれまでの軌跡が展示されていて、過去のフライヤーがもらえたり、スライド上映されていたり、その空間作りにいきなり感心させられたが、ライブが始まってからも本当に素晴らしかった。しれっと、さらっとしていながら、芯の部分が力強く、余計なものを一切省いたシンプルながら密度の濃い演出にいちいち唸らされる。「ライブ」とは書いたものの「ライブ」という一言では形容し難く、「表現」とか「発信」とか「インスタレーション」とか、そういう言葉が浮かぶ不思議な時間だった。他の何にも似ていない、何とも比べ様のない、それほどのオリジナリティを見た気がする。MCも一切無いし、VJと演奏が一方的に淡々と進行していったり、いったいどれだけのリハーサルを経ているのだろうと他人事ながら気が遠くなってしまう点では、しいていえばコーネリアスを思い出したりもしたけれど、珍しいキノコ舞踏団や荒井良二さんなどの音楽以外の表現者が加わる事で、それはやはり全く違う表現となっていた。
そう、荒井良二さんのライブペンティングが大胆で自由でとても良かった。次々と変化していく画面が見ていて最高に気持ちが良くワクワクした。高校時代に授業で見て興奮したピカソのペインティング映像を思い出した。
舞台の一番奥の端っこに陣取っていたボーカルの山崎ゆかりさんがマイクを持った腕しか見えなかった(笑)のが残念と言えば残念なのだけれど、既にそういう見える見えないをも超越した内容であったので、途中から全く気にならなかったのも凄いと思えた。そんなバンドってなかなか無いよね。山崎さんの優しいのに凛とした声には何度も震えが来て、『思い出俄爛道(がらんどう)』という曲では泣きそうになった。
空っぽの風の色 溶け込んだ
何もない 今日ですが
思い出に泣かされました 僕は 俄爛道
おもいっきり包まれました 思い出を抱きしめました
「表現する」という事をこんなにも真摯に、丁寧に、静かながら力強く実行している人達を目の当たりに出来た事は、二日酔いの頭ながらそれを体感出来たという事が、年明け早々なんと幸運な事だろうかと思った。そもそも昨年末最後に行ったライブ(ホフディラン×ハルカリ×□□□)の終了後、渋谷クアトロ前で空気公団スタッフのお嬢さんが配っていたチラシを貰わなければ今回行く事はなかったろうから、あの時のお嬢さんにも感謝。
さて。
本日をもって正月終わり。明日から通常営業頑張ります。
↓会場で購入したポスター。素晴らしく美しいのです。
by sakamotochiaki
| 2008-01-07 00:21
| ◎こんな日々
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